戦略核戦力部隊の演習 カムチャツカ半島の目標に着弾
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東京大学公共政策大学院教授・政治学者の鈴木一人が10月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ロシアが実施した戦略核戦力部隊の演習について解説した。
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ロシアのプーチン大統領(ロシア・ノブゴロド)=2022年9月21日 AFP=時事 写真提供:時事通信
ロシア軍が戦略核戦力部隊の演習
ロシア軍は10月26日、プーチン大統領の指揮の下で戦略核戦力部隊の演習を実施した。大陸間弾道ミサイル(ICBM)や潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、長距離戦略爆撃機ツポレフ95からの巡航ミサイル発射などが行われ、国営テレビの映像によるとプーチン氏はオンラインで演習を視察。大統領府は「すべての課題が達成された」と発表した。
飯田)遠くヨーロッパでいま実施していると思ったら、カムチャツカ半島にも弾道ミサイルの着弾があった。この話を聞くと驚くのですが、デモンストレーションのようなものですか?
鈴木)基本的にロシアは、アメリカとの間での核抑止を重視しています。核戦力を使った軍事演習も、基本的にはアメリカに通知しているのです。
飯田)事前に。
鈴木)新戦略兵器削減条約(新START)という軍備管理の仕組みのなかで通知が義務付けられており、そういうルールには則っているわけです。最終的に使うつもりはないけれど、「使えるぞ」ということを示したいデモンストレーションではあると思います。
飯田)なるほど。
鈴木)アジアの方にも着弾したという話ですが、あくまでも北極海やバレンツ海から撃って、それなりの距離を飛ばして「ここまで飛ぶぞ」ということを見せるためには、この辺りにまで飛ばしてこなければいけません。こちらを狙っているというよりは、「それだけの距離が出るぞ」と示しているのでしょう。それ自体が日本にとって脅威になるということではないと思います。