キャスターの辛坊治郎が11月9日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にあることをめぐり、「現政権は、大騒動をまた繰り返すのか」と憤りをぶつけた。
新たな感染症が蔓延したときに、病床確保などを大病院に義務付ける感染症法などの改正案は8日、衆院本会議で与党と立憲民主党、日本維新の会、国民民主党などの賛成多数で可決した。参院に送られ、今国会で成立する見通しだ。また、改正案の付則では新型コロナウイルスの感染症法上の分類について、濃厚接触者の待機などが必要となる現在の2類相当からの見直しを政府に求めた。
辛坊)改正の方向性そのものに関しては特に問題はありません。ただし、喫緊の課題であるコロナの扱いをどうするかについては、岸田政権は正面から向き合う必要があるのに、全くやる気がありませんね。
東京都のコロナ感染者数の推移を見ていると、約3週前から顕著に増え始めています。オミクロン株の新しい派生型の感染が広がっているように見えますね。感染者数は今後、どんどん増えていくと思います。しかし、そのときに最大の焦点となるのは、数字上の感染者は増加するのだけれども、今までのような大騒動をまた繰り返すのかというところには、政治的な決着をつけなければいけない段階にきているということです。
例えばイギリスは今年の初め頃から、治療が必要な人を除きPCR検査をして感染者をあぶり出すことをやめました。つまり、無症状の人も検査して感染者として数字に計上するようなことをやめたわけです。全世界的に同様の方向へ舵を切っています。これに対し、いまだに感染者数を完全に抑え込もうとしているのは、中国くらいです。大半の国は感染者あぶり出すような馬鹿馬鹿しい騒動はやめようということで、コロナを普通の病気として扱っていこうとしています。
しかし、日本はコロナ禍が始まった当初の2年前と同じことをやろうとしているようにみえます。検査場もある意味の客商売になっていますから、感染者が増え始めると呼び込みをして検査する人を増やようになります。検査すれば、当然ながら感染数は増えるわけです。そうした見かけの数字が現在より一桁増えるのに、そう日数はかからないと思いますよ。感染者数が一桁増えると、社会的な騒動がまた始まるわけです。あの大騒動をまたやるんですか。
騒動で得する人がいるのでしょう。この2年間で、騒ぐことによって得する人がいる状況がつくられてしまったんですよ。人間の心理としては、新たにできた目の前にある既得権益は守りたいでしょうからね。騒動になる最大の理由は、コロナが感染症法上の2類相当という、場合によってはエボラ出血熱よりも厳しい対応をしなければならない非常に特殊な扱いになっているからです。
医療機関も病床の逼迫で大騒ぎになります。しかし、なぜ病床が逼迫しているのかといえば、2類相当の重大な感染症を受け入れられる病床数が限定されていることからです。これによって、医療機関が実質的に受け入れを拒否しているような形になってしまうわけです。実は病床はたくさん余っているのだけれども、コロナ対応の病床がないというだけの話です。これでは、今救える命も救えないというケースも避けられません。やはり、今起きていることにも同時に対処してもらわなければ困ります。
私は怒りを覚えています。現政権は、この混乱どこまで続けるつもりなのかと。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)