キャスターの辛坊治郎が11月16日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。中国の広東省広州市で新型コロナウイルス感染症対策の封鎖措置に抗議する住民が暴動を起こしている様子をとらえた動画が国外へ流出していることについて、「これまでの中国であれば、あり得ないこと。この動画で今の中国の実態が分かる」と指摘した。

中国ゼロコロナの負担蓄積 新型コロナ対策で封鎖され周囲に壁が設置された地区(共同) 撮影:2022年11月11日、北京 写真提供:共同通信社
中国の広東省広州市で15日夜、新型コロナウイルス感染症対策の封鎖措置に住民が抗議し暴動に発展した。香港メディアによると、住民が警察車両や封鎖に使われていたフェンスを倒すなどし、警察が高圧放水で鎮圧を図った。
辛坊)中国ではいまだに「ゼロコロナ」政策です。感染者が見つかると、街ごと、また町内一帯をフェンスで封鎖しています。そうすると自宅に帰れない人や、自宅から出かけられない人が発生します。それで怒った住民たちがフェンスを倒すなどして、警察と衝突したんですね。警察官の中には「いつまで、こんな馬鹿なことをやっているんだ」と個人的には懐疑的な人もいるのでしょうが、命令を受ければ個人的な意思とは関係なく封鎖を死守しようとするわけです。
日本であれば、メディアが現場に駆けつけ、報道されて大騒ぎになりますが、中国では徹底した報道管制が敷かれています。しかし、その中国でも最近、抜け穴ができてきました。欧米の交流サイト(SNS)の大半は中国では使えませんが、国内のSNSを使って暴動の様子を映した動画などを流す人が現れてきたのです。これまでの中国であれば、あり得ないことです。
しかし、ここまでスマートフォンが普及すると、今回の暴動のように、その動画が世界へ漏れ出すようになりました。こうした動画によって、今の中国の実態が世界の人々にも分かるようになってきたわけです。