拘束されている人を助けることが大使館の最大の仕事 ミャンマーで拘束の久保田徹さんが帰国

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が11月18日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ミャンマーで拘束後、11月17日に解放された久保田徹さんについて解説した。

拘束されている人を助けることが大使館の最大の仕事 ミャンマーで拘束の久保田徹さんが帰国

ミャンマーから帰国後、取材に応じるドキュメンタリー制作者の久保田徹さん=2022年11月18日午前、東京・羽田空港 写真提供:時事通信

ミャンマーで拘束の久保田徹さん ~10年の判決を約3ヵ月で解放

ミャンマーで約3ヵ月半にわたって拘束されていたドキュメンタリー制作者・久保田徹さんが11月17日に解放され、タイからの民間機で羽田空港に到着した。横浜市出身の久保田さん(26歳)は2022年7月にミャンマーで抗議デモを取材中、治安当局に拘束され、扇動など3つの罪で禁錮10年の有罪判決を受けていたが、恩赦で釈放された。

飯田)羽田空港で「10年という判決が出たが、これだけ早く解放されたことに言い表せない感謝を感じている」とコメントしています。

宮家)在外公館、つまり外国にある日本の大使館の最大の仕事は、邦人保護なのです。事故や盗難などもありますが、難しいのはこういう形で日本人が外国で捕まり、判決が出てしまった場合です。しかも10年でしょう。それを大使館は解放しなければいけないのです。

飯田)10年の判決でした。

宮家)世界各国で同じようなケースがあるわけですから、うまく各国と連携しながら圧力を掛けたのではないでしょうか。10年という判決が約3ヵ月になったのですか?

飯田)約3ヵ月半で解放されました。

5800人余りの恩赦が発表

宮家)他にもアメリカのアジア系の市民が……。

飯田)米国籍の方。

宮家)その方は14年ぶりに解放されたでしょう。

飯田)今回、5800人余りの恩赦が発表されています。

宮家)日本の場合は非常に上手くいったケースであり、よかったと思います。

拘束されている日本人を助けることが日本大使館の最大の仕事

宮家)「日本人をどうやって助けるか」ということが日本の大使の最大の仕事です。しかし、向こうは外国で捕まっているのだから、実は接見することも大変なのです。

飯田)会うだけでも。

宮家)関係者の方のいろいろな相談にも乗らなければいけない。「感謝を感じている」とおっしゃっていますが、本当に良かったです。

飯田)ミャンマーもそうですが、権威主義的な国や、法律を恣意的に使うような国を相手にしなければならないとなると、どういう糸口を掴んでいくのか。そこが腕の見せどころですか?

宮家)どこで誰が捕まるかわからないので、東京であれば外務省領事局、在外であれば大使館の領事部が、日ごろから関係国政府と連絡を取っているわけです。

飯田)日ごろから。

宮家)おそらく中国でも同じ問題を抱えていて、もっと長く、しかも、もっと不当に捕まっているケースが多いだろうと思います。今回は上手くいってよかったですけれども、これだけで終わってはいけません。まだまだ世界各地には問題はありますから。

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