経済同友会・新代表幹事の新浪氏に与えられる「海外に向けての課題」
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経済アナリストのジョセフ・クラフトが12月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。経済同友会の新代表幹事に就任する新浪剛史氏について解説した。
経済同友会の新代表幹事にサントリーホールディングスの新浪社長が就任へ ~政府とのパイプも強い
経済同友会は12月12日、桜田謙悟代表幹事の後任にサントリーホールディングス(HD)の新浪剛史社長が就任する方向で最終的な調整に入った。週内に開く幹事会の了承を経て、2023年4月の総会で正式に就任する。慣例では任期は2期4年。
飯田)経済三団体の1つのトップが代わるということです。
クラフト)経団連と違い、経済同友会は裾野が広いです。経営者に精通している団体なので、重要な役割を持ちます。新浪さんは昔から政府にもパイプがありますので、企業側の懸念事項等を政府に伝える意味でもふさわしい人事ではないでしょうか。
飯田)代表幹事となると定例会見があり、発信する機会も多くなります。
クラフト)新浪さんは発信力がありますから、トップのキーマンとして、いい役割かも知れません。
飯田)三菱商事に入社され、そこからローソンの社長になられた。そのイメージが強いですが、さらにサントリーホールディングスの社長となった。
クラフト)もともと消費者に近い立場で経営されてきたので、いまのインフレ問題を重点的に、経営者側からの視点でものを言っていただければと思います。
円安を活かし、企業が海外進出していくチャンス ~経済同友会がどこまで後押しできるか
飯田)サントリーは世界的な酒造メーカーであり、グローバルな知見もある。
クラフト)日本のウイスキーは海外で値上がりしていて、とても人気があります。サントリーは明らかに海外展開に舵を切っています。昨今の円安は、特に日本の中小企業にとって、より海外展開しやすくなる環境です。今後は国内の収益だけではなく、海外に成長を見出していくことも重要だと思います。
飯田)外に向かってものを売っていく。そのときに日本でつくったものの価格面での有利さが出てくるのですね。
クラフト)長い間、デフレ時代で内向きに進んできましたから、ここは海外展開して成長させる。特に農業や日本のものづくりの産業などは、円安を活かして海外にブランド進出していくチャンスだと思います。そういうところを同友会がどこまで後押しできるか、政府とのパイプ役になれるか。いろいろ課題はあると思います。
海外では、ラーメン1杯が3500円でも食べてもらえる
飯田)既に海外で稼いでいる企業もたくさんあります。ところが、海外で再投資という形に、いま残念ながらなっている。これが戻ってくれば、もう少し日本の経済が回るかも知れません。
クラフト)そう思います。先日、ラーメンチェーンを展開する経営者の方と話す機会があったのですが、日本での経営が非常に厳しい。どこで儲かっているかと言うと、「海外で儲かっているのですよね」と言っていました。ラーメン1杯を3500円で提供できるのだそうです。
飯田)そのくらいの値段でも食べてもらえる。
クラフト)だからいまは、日本国内よりも海外の出店が多いということです。
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