「ゼロコロナ政策」を続けても解除しても「地獄」の中国
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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が12月16日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。中国のゼロコロナ政策の解除について解説した。
世界保健機関(WHO)が中国の拙速な「ゼロコロナ」解除に警告
中国が厳格な「ゼロコロナ」政策の解除を進めるなか、世界保健機関(WHO)は、中国は集団免疫を持たず、高齢者のワクチン接種率が低いことから、感染対策で急速にUターンすれば高い代償を伴う可能性があると指摘。今後、中国が「困難な時期」に直面するとの懸念を示した。
ゼロコロナ政策は国民の声に押されてやめたわけではない
飯田)中国のゼロコロナ政策ですが。
宮家)欧米型のワクチンを入れれば、ずいぶん状況は変わると思うのだけれども、プライドなのか、中国製ワクチンの効果が低いからか知りませんが、今年(2022年)は党大会の年でしたので、ゼロコロナ政策をやめられなかったのです。単なる医療だけではなく、「ゼロコロナ」と言えば、どんな家でもなかに入っていけるわけですから。
医療崩壊が起きる可能性も
宮家)厳しく取り締まる絶好の手段ですから。逆に言うと、もう党大会を乗り切ったので、そろそろやめられるのです。その意味では、「国民の声に押されて」と言うけれど、声に押されて動くような人たちでは必ずしもありませんからね。
飯田)そうですね。
宮家)ある程度、これは既定路線だったと思います。ただ、仮に既定路線だったとしても、進むも地獄、退くも地獄です。下手をしたら医療崩壊が起きますよ。
飯田)このままゼロコロナ政策をやめれば。
宮家)ああいう統制社会のなかで、無理して力づくで封印しようとしても、相手は病気ですから。
飯田)ウイルスですからね。
宮家)簡単にはいかないということが今回、明らかになったという気がします。
集団免疫ができつつある欧米・日本
飯田)欧米各国、日本も徐々にではありますけれど、ウィズコロナに移ってきている背景には、ワクチン接種もあり、感染した人も多くなってきて免疫ができつつあるということです。
宮家)集団免疫とは言わないけれど、私も5回ワクチンを打ちましたからね。おそらく中国のワクチンは、5回打っても効かないのだから。
飯田)いまの中国は2020年初頭と同じ状態になりつつある。
宮家)それで高齢者のワクチン接種率が低いのは、「どういうことだ」と思ってしまうのですけれど。
飯田)かといって、経済を止めたままというわけにもいかないですから。
ゼロコロナ政策をやめたことの副作用
宮家)苦しいなかで政策を変更したのは、正しい方向だとは思うのだけれど、やはり副作用があるようです。
飯田)その辺りをどうハンドリングしていくのか。
宮家)ゼロコロナ政策の副作用は当分続くだろうと思っていいのではないでしょうか。これだけ経済が苦しくなってくると、このままでは持たないですよね。
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