視覚に障害のある人には「うしろから声をかけないで」
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社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合・事業部長の逢坂忠氏が12月16日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。コロナ禍が視覚障害者に与える影響について、また、視覚障害者との接し方について解説した。
特集 障害のある人を支援するさまざまな取り組み
新行市佳アナウンサー)この3年、コロナ禍で生活様式が変わり、皆さんも不便を感じる瞬間があると思います。今回は、視覚に障害のある方はどんなことに困っているのか、社会福祉法人「日本視覚障害者団体連合」の逢坂忠さんに伺いました。
マスク着用で歩くための情報が少なくなった視覚障害者
新行)コロナ禍でのマスク着用についてですが、視覚に障害のある方が外で歩くときは、音や肌の感覚が情報源になるのです。
飯田)そうですよね。
新行)風が肌に当たる感覚も大きな情報になるので、口元や鼻をマスクでふさがれてしまうと、以前よりも得られる情報が少なくなり、「歩きにくくなった」というお声もあるのだそうです。
飯田)頬に当たる風や匂いなども情報として大きいですからね。
手で触ることで確認するため、スーパーなどで食材を触ることを理解して欲しい
新行)スーパーなどのお買い物でも、視覚障害がある方は食材などに手で触れて確認するのですが、特にコロナ禍が始まったころは触りづらい状況があったということです。
飯田)あまりベタベタ触られると。
新行)そこはご理解していただきたいですね。
飯田)そうですね。
無人レジの凹凸のないタッチパネルは触っても情報がわからず、不便
新行)また、タッチパネルで清算する無人レジも進んできていますが、タッチパネルは凹凸がなく平面なので、触っても情報を得ることができず、不便だということです。そういったことを考えると、最先端の設備を整えながらも、店員さんに気軽に聞くことができるのがいいですよね。
店の入り口に設置してある消毒液も視覚障害者には不親切
新行)逢坂さんによりますと、お店の入り口に置かれている消毒液に関しても、ガイドの方がいないと「どこにあるかわからない」ということです。設置されている場所はお店によってそれぞれですし、自分でプッシュするものもあれば、自動で消毒液が出てくるものもあります。
飯田)反応できないですよね。
視覚障害の方との接し方 ~決してうしろから声をかけない
新行)視覚障害の方に街中でお声がけするときは、どんなことに気を付ければいいですか?
逢坂)ただ一言、「何かお手伝いしましょうか?」とか、「お困りごとはありますか?」などと声をかけていただけると助かります。
新行)声をかける場所など、注意することはありますか?
逢坂)うしろから声をかけることはしていただきたくないので、できれば少し横に立つような感じで、あるいは少し前くらいからお声がけいただけるとありがたいと思います。
新行)うしろからはお声がけしないということですね。
一緒に移動する場合は杖の反対側に立ち、肩か二の腕を触っていただく ~進むときは半歩前を
逢坂)一緒に移動していただける場合には、当事者はだいたい杖を持っていますので、杖を持っている手と反対側に立っていただけると、とてもありがたいです。
新行)杖をお持ちになっていない方に。
逢坂)肩もしくは二の腕のところに軽く触れさせていただき、それで歩いていただけると歩きやすいです。半歩くらい前に立っていただけるとつかまりやすいので、それで移動してくださるといいと思います。
新行)半歩前に立って移動する。
言葉で説明した方がいい場合もある
逢坂)あとは、触り方についてです。実際に手を取って触らせていただくことも、場合によっては必要です。あるいは位置を教えていただき、例えば、「いまちょうど目の前にあります」というように言葉で説明していただくのもいいと思います。
飯田)「何か困っていることはありませんか?」と一言かけるだけで、全然違うところもありますね。
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