森保監督「実は“ドーハの悲劇”に特別な思いはないのです」
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サッカー日本代表監督の森保一氏が12月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日本国内を歓喜に包んだサッカーワールドカップカタール大会について解説した。
いろいろな感情が入り混じったドイツ戦での勝利インタビュー ~この勝利をどう次の試合に活かして向かうか
新行市佳アナウンサー)初戦にドイツ戦で勝利を飾って、インタビューを受けているときの森保監督の表情が、「次に向けて落ち着かなければならない」という気持ちと高揚感が入り混じっているように見えたのですが、あの瞬間はどういう気持ちだったのでしょうか?
森保)自分がインタビューされているときの映像はあまり見たくないのですけれど、おっしゃるように興奮状態にいるなかでのインタビューでした。
飯田)興奮状態のなかでの。
森保)ドイツに、しかもワールドカップの初戦で勝利できたことは嬉しかったのですけれど、グループリーグを突破したわけでもなければ、その先の目標が約束されるわけでもありません。常に一喜一憂しすぎないようにしようと思っていたのですが、やはり、いろいろな感情が入り混じった表情をしていたので、お恥ずかしい限りです。
飯田)いやいや。
森保)でも、終わったことは勝利であれ、引き分けであれ敗戦であれ、もう過去のことですので、どう活かして次に向かっていくかということは考えていました。その部分はインタビューのなかでも出ていたのかなと思います。
けが人が出ることは自然なこと ~常に「これがベストメンバー」だと考えて試合に臨んだ
飯田)ドイツ戦の直前の強化試合では、エクアドルとは引き分け、カナダとは1対2で負けました。しかもけが人や体調不良の人も出ていた。「計算と違うな」とか、「本番は厳しいぞ」というようなことは思いましたか?
森保)計算が違うとはまったく思っていませんでした。けが人はいない方がいいですけれど、「計算は狂う」ということは、ある意味、自然なことだと思います。
飯田)自然なこと。
森保)誰かに依存して戦うのではなく、誰が出てもチームの機能性を持ち、戦力が落ちない、誰が出ても勝っていけるという集団だと思っていました。それは選手たちとも共有していたので、「そのときのベストを考えて戦うだけだ」という気持ちでした。
飯田)そのときのベストで。
森保)強化試合を通じて、強化ポイントなど、いろいろなことがシミュレーションできていたので、「自信を持って本大会に臨めるな」と考えていました。常にそのときがベストメンバーだと考え、選手たちもそう思って戦ってくれていたと思います。
実は「ドーハの悲劇」に特別な思いはない
飯田)前回のインタビューのときに、「ドーハの悲劇をドーハの歓喜に」とおっしゃっていました。それが「いきなり実現した!」というような思いでいましたけれども、ドーハという地に対して何か特別な思いなどはありましたか?
森保)実はあまり特別な思いはないということは、以前にも話したかも知れません。監督の立場として、「カタールワールドカップでいい結果を出す」という目標に向かって戦うだけだと考えていました。
飯田)いい結果を出すという。
森保)いろいろな方が期待してくれて、「次はドーハの悲劇をどうするのだ」という質問をたくさんされたので、ドーハで応援してくださっているサポーターや国民の皆さんと、喜びを分かち合える結果を出せればよいなと思っていました。
飯田)なるほど。
森保)まずはドイツ戦で勝利でき、その思いが現実になったので、本当に嬉しかったですね。ドイツは強かったですが、選手たちが我慢しながら自分たちのペースに持っていき、勇気を持って戦い抜いてくれたことで、歓喜を味わわせてもらえました。本当に選手たちに感謝ですね。
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