対中国の水際対策強化 差別ではない当然の防衛措置

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が12月30日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。30日のロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席のオンライン会談、中国の「ゼロコロナ」政策の転換について解説した。

対中国の水際対策強化 差別ではない当然の防衛措置

新型コロナウイルスの検査に向かう中国からの入国者=2022年12月30日午後、成田空港 写真提供:産経新聞社

宮家)あのお二人はお友達だから、お話をするのは結構なのだけれども、もう少し建設的な話をしてくれないかなと思いますね。中国はウクライナ紛争に対してある程度距離を置こうとしている。初めはロシアを支援しようと思ったけれども、勃発後1年以上になるかもしれない長い戦争になって火の粉がどんどん中国にかかってくるので「おっとっと」と困っている。プーチン氏にあまり肩入れはできないが、かといって、批判するわけにもいかないし、中国は非常に悩んでいる部分がある。しかし国内の足元はどうですか。「ゼロコロナ」などをやっていたでしょう。

飯田)やめてしまった。

宮家)やめるのは当然なのだけれども、いままで抑えに抑えてきたから、英語でいうとインプロージョンというのですが、内部で爆発していたわけです。そうするとみんなの不満が高まるに決まっているではないですか。それでいま緩和しているのでしょう。今度はエクスプロージョンですよね。外に対して爆発して。これからどんどん海外に中国人は旅行を解禁していく。

飯田)渡航も解禁しました。

宮家)彼らが飛行機に乗ったら、みんな感染しますよ。

飯田)ミラノに着いた飛行機が半分陽性だったという。

宮家)おそらく免疫ができていないし、そして人工的にああいったかたちで隔離をしたら確かにうつらなかったかもしれないけれども。それは非常に感染に脆弱ということですよね。ですからああいうかたちでやっていたら感染爆発は当然で、日本の対応が厳しいと文句を言われているかもしれないけれども、それは世界中でやっているのですよ。中国については特別ですよね。別に対中差別でも何でもない、当然の防衛措置だと私は思います。

飯田)しかしこの中国国内の情勢というものは、感染爆発ということになってきて社会不安が高まると外に出てくるのではということを言う人もいます。

宮家)そんなことをやれますかね。国内が医療崩壊をし始めたときにそんな戦争を仕掛けて、それでうまくいかなかったらどうなるのですか。私は慎重な習近平氏だったら、もっとも合理的な判断をするという前提なのですけれども、いまはそれどころではないと思いますね。国内の問題を何とか解決したいという気持ちがある。確かに目をそらそうというのはあるかもしれないけれども、私だったら少なくとも2023年はやりません。

飯田)2023年はという。

宮家)コロナの感染がおさまってからの方が危ないのではないですかね。

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