キャスターの辛坊治郎が1月26日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。全国で相次ぐ強盗事件をめぐり、次々に逮捕されている実行犯について、「窃盗と強盗の違いも分からないような素人」としたうえで、「特殊詐欺が悪いほうへ発展した」と指摘した。
全国で相次ぐ強盗事件をめぐり、「ルフィ」と名乗る人物が滞在先のフィリピンから複数の事件の実行役に指示を出していた疑いがあることが分かった。捜査関係者によると、「ルフィ」を名乗る人物は交流サイト(SNS)の「闇バイト」に応募してきた人物に対し、追跡が困難とされる通信アプリ「テレグラム」などを通じ連絡。強盗に関する具体的な手順を指示するなどしていた。警察当局は、少なくとも昨年5月以降に発生した京都市と大阪府、東京都稲城市、山口県岩国市、広島市西区の強盗事件で「ルフィ」が実行役に何らかの指示を出していたとみて捜査している。
辛坊)実行犯が続々と逮捕されています。この実行犯たちは、いわゆる素人です。主犯格は素人ばかりを集めて、無茶なことをやらせています。素人なので、プロの窃盗団ならそこまで無茶はしないだろうということもしています。また、現場に指紋をベタベタ残しています。あっという間に捕まる一因です。
東京都狛江市の事件では90歳の女性が殺害されました。これは強盗殺人事件です。強盗殺人罪は死刑になる可能性もあります。「闇バイト」で雇われた素人の実行犯たちは、窃盗と強盗の違いも分からないのでしょう。罪の重さが全く違うという認識がないのだと思います。
一連の強盗事件は、特殊詐欺が悪いほうへ発展した事件だと感じます。特殊詐欺をめぐっては、高齢者もかなり警戒するようになっていますし、警察や銀行なども摘発、抑止に力を入れています。そうした状況では、特殊詐欺ではなかなか稼げなくなっています。そこで、特殊詐欺に使われていたようなお金持ちの高齢者らのリストを手にした者や特殊詐欺に加担していた素人らが、「直接、押し入って金品を奪ったほうが手っ取り早く稼げる」として犯行に及んでいるのではないかと思われます。
特殊詐欺では、まず逮捕されるのはお金を取りにいった「受け子」であり、主犯格はなかなか捕まりません。一連の強盗事件でも主犯格はまだ逮捕されず、捕まっているのは実行犯の素人ばかりで、特殊詐欺と同様の構図となっています。
「ルフィ」を名乗る指示役とみられる人物の滞在先としてフィリピンが浮上した理由は、実行犯の携帯電話に残っていた情報発信元の国別発信番号からです。捜査当局は「ルフィ」の素性を既に特定できているのかもしれません。フィリピンは犯罪人引き渡し条約を締結していませんが、一定期間が経過すると不法滞在になりますから、その時点で「ルフィ」を国外退去にすることができます。日本とフィリピンは関係が悪くないので、飛行機が日本領空に入った段階で日本の捜査当局が機内で「ルフィ」を逮捕することになります。
一連の強盗事件には、いくつかの背景があると思われます。その1つが、中古品市場の変化です。ひと昔前ならお金にならないような高級時計や高級バッグといった物が、中古買い取り店で高値で売買されているんです。そうした背景に目を向けると、一連の強盗事件の闇は深いと考えられます。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)