フィリピンの収容所で「DX化」 「ルフィ」の手口の皮肉さ
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経済アナリストのジョセフ・クラフトが1月31日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。入管施設に拘束されている強盗事件の指南役らの日本への強制送還について解説した。
フィリピンで拘束の4人について強制送還を正式要請
全国で相次いでいる強盗事件をめぐり、在フィリピン日本大使館は1月30日、フィリピンのレムリア司法相に対し、入管施設に拘束されている強盗事件の指南役らグループ4人の強制送還を正式要請した。
飯田)移送手続きには通常、最低30日が必要とされていますが、フィリピン政府は2月上旬に予定されているマルコス大統領の訪日前に、問題を解決したい意向を示しています。
クラフト)政治的な背景があると物事が進みやすいので、いいタイミングだと思うのですが、刑務所内から強盗事件を指示できるというのは驚きですね。
飯田)刑務所のなかであっても、お金でどうとでもなる。
クラフト)アメリカの刑務所でも特典的な待遇はあるのですが、柔らかいトイレットペーパーが使えるようにするとか、歯ブラシを特注のものにするというような類です。携帯電話で強盗を指示するなど聞いたことがありません。
飯田)そもそも携帯電話が使えてしまう時点で、刑務所としての意味を成さない気がします。
クラフト)あるいは特別なソファや個室があるなど、驚きましたね。
フィリピンではプリペイドのSIMカードが使用できることから、特定が難しかった
飯田)外に出ることはできないけれど、生活としては、一般人の生活と何ら変わりないではないですか。フィリピンでは未だにプリペイドのSIMカードが使えるということで、それが特定に至らなかった理由とも言われています。
刑務所内での待遇についても、各国の政府や警察と連携していく必要性が浮き彫りに
クラフト)強制送還によって実態を解明し、今後の対策に乗り出していく。もう1つ言うと、刑務所内での待遇についても、各国の政府や警察と連携する必要性が浮き彫りになったので、今後の対応に注目したいと思います。
飯田)各国、刑務所の運用の仕方はいろいろありますが、海外への支援や技術指導のようなことはできますか?
クラフト)場合によっては、する必要もありますが、少なくとも海外の刑務所に拘束されている日本人の待遇、あるいはバックグラウンドを理解して監視することが今後、必要になるのかも知れません。
今後、警察もDX化を高めていく必要がある ~犯罪が国際化していることを証明
飯田)今回は「闇バイト」が注目されています。
クラフト)皮肉なことに、刑務所からこれだけDXで対応できるのだから、政府も早くDX化を進めて欲しいですよね。
飯田)ある意味、そういうことができてしまっている。スキームそのもの、最終的な犯罪の手口は強盗になりますが、その前段階として、「特殊詐欺のスキームをフル活用した」という話があります。
クラフト)今後、サイバーがより重要になりますので、警察もDX化をさらに高めていく必要性が出てきたケースではないでしょうか。
飯田)いままで組織犯罪については、「国内での犯罪組織」にフォーカスされていましたが、今回は海外を巻き込んで行われた。ネットが進化し、実行しやすくなっているのですか?
クラフト)安全保障においても、今回のような犯罪においても、世界各国の連携がより求められる時代になったのです。犯罪もより国際化していることを証明した1つの案件ではないでしょうか。
資金の流れを規制するのは国際的なテロ組織の犯罪抑止のためだけではない
飯田)かつて、資金の流れなどを規制するのは、国際的なテロ組織の犯罪を抑止することにもなるのだと。それに沿ってパレルモ条約があり、資金洗浄などにも規制が掛かっていましたけれど、もはやテロ対策のみならずというところですか?
クラフト)むしろ犯罪の方が手薄になっている可能性もあるので、欧米やアジアの政府ともこのような動きを監視しつつ、お互いに情報を提供し合い、抑止していく必要があるのだと思います。
飯田)犯罪捜査においては金の流れを追えと。
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