防衛予算を倍増するよりも「子育て予算」こそ倍増するべき 立憲民主党・泉健太代表

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立憲民主党の泉健太代表が2月3日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。少子化対策と防衛増税について語った。

防衛予算を倍増するよりも「子育て予算」こそ倍増するべき 立憲民主党・泉健太代表

記者会見する立憲民主党の泉健太代表=2023年2月3日午前、衆院第一議員会館 写真提供:産経新聞社

児童手当の所得制限の撤廃 ~実現するまでは気を抜かない

立憲民主党の泉健太代表は1月29日、児童手当をめぐって過去に所得制限を主張していた自民党の茂木幹事長が「反省する」とテレビ番組で発言したことについて、「この10年間、児童手当をもらえなかった方々にどう説明するのか。反省だけされても取り返すことができない」と述べた。

飯田)児童手当をめぐる議論ですが、旧民主党の方々からすれば、「いまさら何を言っているのだ」と思いますよね。

泉)制度が進むのであれば一歩前進なのですが、岸田総理が明言したわけではありません。スープの匂いだけをかがせて実現しないというのはとんでもないことですから、実現まで気を抜かずにいきたいと思います。

飯田)この辺りで観測気球的なものを上げ、「結局どうなっていたのだっけ?」ということが多いような気がします。全体をご覧になって、岸田政権をどう思いますか?

泉)あり得ますね。4月に統一地方選挙があるので、そこへ向けて何となく「やっている感」を出したり、旧統一教会の問題、あるいは防衛増税から目を逸らして別の話題へと注目させる。そういう意図も与党にはあるのではないかと思います。

「法人税」「たばこ税」「復興特別所得税」の3税が増税されるのが「防衛力の整備」

飯田)増税についても、施政方針演説などを見るとその単語は載っていませんでした。

泉)「増税」という言葉を使わずに、「将来世代への負担」などと言い方を変えて、国民の皆さんに対する印象を薄くしようとしていますが、間違いなく起きるのは増税です。「法人税」、「たばこ税」、「復興特別所得税」の3税が増税されるのが、今回の防衛力の整備です。そこは「やりすぎではないか」と言っています。

自民党が政権復帰してからの10年間、子どもが減り続けている ~対策が失敗だった

飯田)少子化対策についてですが、立憲民主党が考える少子化対策はどんなものですか?

泉)自民党が政権復帰してからの10年間で、毎年子どもの数が減り続けています。いままでの対策が失敗だったということです。それをまず明確にしなければいけない。

児童手当の所得制限の撤廃 ~「国は自分たちを応援してくれている」と実感できる対策をするべき

泉)そして子どもたちの負担です。子育ての負担が大きいので、児童手当の所得制限をなくさなければならない。それなりに収入がある家庭の場合、「もう1人子どもを産もうか」となったところに所得制限が入るので、ブレーキが掛かってしまった。これを撤廃するということです。

飯田)児童手当の所得制限の撤廃。

泉)育児休業給付を取ると、いままでもらった給料が減額されてしまう。その他にも、住宅を借りるときの家賃補助がないなどという問題もあります。全体として若い世代が子どもを産み育てようと思ったときに、「国は優しい制度をつくってくれているのだな。自分たちを応援してくれているのだな」と実感できる対策をしなければいけないと思います。

すべてを防衛費に充てるのではなく、少子化対策や教育関係にも予算をつけるべき

飯田)政府として、きちんと財政出動しなければならない。突っ込まれがちなのは財源についてですが、この辺りはいかがでしょうか?

泉)今回、政府は防衛費を5年間で倍にし、14.6兆円ほど上積みすると言っているわけです。

飯田)そうですね。

泉)国家としては、用意できる財源をどこに振り向けるかというところで、いまは全部を防衛費に振り向けようとしています。

飯田)すべてを。

泉)そうではなく、もう少しバランスを持って、少子化対策や教育関係に予算をつけるべきだということです。

飯田)防衛費だけではなく。

所得税負担「1億円の壁」問題を改善する

泉)いま、国の税収そのものは増えていますので、この産業を育て、しっかり増収を図る。また、我々は「応能負担」と言っていますが、所得税や金融課税などについて、それなりに稼いだ方々にはもう少し税率を高め、そこからの増収を図っていく。そういうことは可能だと思います。

飯田)確かに金融所得に関する課税は、富裕層にかなり有利になっているのではないかという指摘がありますものね。

泉)1億円の壁と言われていて、1億円以上の所得を超えると、税負担率が逆に下がってしまう。この制度は改善しなければいけないと思います。

「所得制限を撤廃すれば、それでよし」ではない ~「チルドレン・ファースト」という理念で子育てを考える立憲民主党

ジャーナリスト・鈴木哲夫)少子化対策に関して、「所得制限を撤廃したらそれでよし」ではなく、もっと「根本的な理念が違うのだ」という姿勢を見せるべきだと思うのです。その辺りはいかがですか?

泉)我々はずっと、むしろそちらの方をやってきたのです。「チルドレン・ファースト」という言葉です。

子どもをのびのびと育てられる環境が必要 ~子どもたちが自由に過ごせる環境

泉)10年前から我々が使っている言葉ですが、子ども中心の世の中にしていかないと、日本の将来はない。単純な「少子化対策」というよりも、子どもがのびのびと育てる環境をつくらなければいけないということです。

飯田)のびのびと育てる環境。

泉)いくら制度を整えても、バスや電車のなかでベビーカーを使っていたら文句を言われるだとか、幼稚園や保育所の周りから「声がうるさい」と文句を言われるなど、世の中に子どもにとって過ごしにくい環境があれば、親たちは「子どもを育てにくい」という実感を持ってしまうわけです。

飯田)そのような環境のなかでは。

泉)子どもが元気に地域で遊べる世の中にしなければいけない。「あれはダメ、これはダメ」と言っていたら、「子どもを育てよう」という親の気持ちがなくなってしまいます。社会全体で「チルドレン・ファーストとは何なのか」を考え、子どもたちが世の中で自由に過ごせるような環境をつくっていくことが必要ではないでしょうか。

防衛予算を倍増するよりも、子育て予算こそ倍増するべき

泉)そういうことも大事ですし、私たちは「防衛予算を倍増するよりも、子育て予算こそ倍増するべきだ」と言っています。そういうところで我々としての考え方をより伝えていきたいと思います。

飯田)確かに、かつて児童手当の議論が行われた10年前は、「社会で育てるのか、家庭が育てるのか」というところが大きな論点になっていましたよね。

泉)それが矮小化されて、「社会で育てる」と我々が言った途端に、自民党側から「親の責任はないのか」とか、「親が育てるのではなく、世の中だけが育てるのか」などという極論で攻撃を受けたわけです。

飯田)そうでした。

泉)ただ、地域のなかで子どもたちが受け入れられる環境がなければ、のびのび子育てできる環境にはならないですよね。社会で育てる助け合い、支え合いがあって、初めて地域で子どもたちが育っていくのだと思います。

使えるお金、動ける場所と出番を若い世代に提供していかなければいけない ~日本はそのようなフェーズに入っている

飯田)現役世代の負担率が5割~6割に達するのではないかと言われていますが、それも変えていくことが必要ですか?

泉)資産の移転も考えなければならないと思います。日本の(個人)金融資産は約2000兆円と言われますが、6割~7割ぐらいが60歳以上の方々のものであって、若い世代にお金が行き渡っていないわけです。

飯田)若い世代に。

泉)我々のなかで「シルバー民主主義」という言葉が使われることもありましたけれど、改めて、使えるお金、そして動ける場所と出番を若い世代に提供していかなければならないのではないでしょうか。いま、国家はそのようなフェーズに入っているのだと思います。

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