コロナ禍で変わった「犯罪の質」
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ジャーナリストの鈴木哲夫が2月3日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。20年ぶりに件数が増加した刑法犯について解説した。
増加した刑法犯
飯田)去年(2022年)の刑法犯が20年ぶりに増加しました。20年ずっと減ってきたけれども、「ポッ」と上がったということです。
鈴木)やはりコロナ禍が関係しているのではないでしょうか。節目で付き合いの長い警察庁OBの方に話を聞くのですが、コロナ禍が始まったときに、「普通の粗暴犯や強盗などが減る」と予測したのです。外を出歩かなくなったから。
コロナ禍で家庭内に犯罪が移り、知能犯が増えた
鈴木)しかし、犯罪の質が変わって「家庭内に移る」と言うわけです。家庭にこもっているから、子どもを手にかけたというような家庭内での犯罪が増えましたよね。それからOBの方が言っていたのは、知能犯が増えるということです。支援金など、国のお金が動きますから。
飯田)特殊詐欺の被害が増えましたね。
鈴木)コロナが明けて社会活動が戻ってくるのだけれど、コロナ禍で仕事を失ってお金がないとか、いままでの鬱憤が溜まるなど、コロナに関する影響があります。刑法犯ではないけれど、自殺者も増えています。
自殺者がコロナ禍前に比べて約1000人増加
鈴木)去年(2022年)の秋に自殺(対策)白書が出ましたが、コロナ禍前の平均と比べて、1000人ぐらい自殺者が増えている。特に女性の自殺者が増えているのです。コロナで非正規雇用を切られたり、子育てが大変だったり。そういう自殺者も、やはりコロナが影響していると思います。
未だに苦しむ「コロナ難民」を政府がフォローするべき
鈴木)私は「コロナ難民」とよく言うのだけれど、コロナ禍で被害にあった人たちの別の事件が、これから増えていくと思います。これは警察が取り締まるというよりも、政治がしっかり見てあげるべきです。コロナ後遺症に苦しんでいる人の支援や、経済的に困窮している人をどのようにフォローするか。
飯田)コロナ難民の方たちを。
鈴木)でも、いまの政府の雰囲気を見ていると、「もうコロナは明けた。支援金はすべて切ってしまえ」と。そうなると犯罪や自殺は続いていくのではないでしょうか。政府にはしっかりして欲しいと思います。
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