自ら「企業努力鉄」を名乗る鉄道ファンの RAG FAIR 土屋礼央氏が2月9日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。同じ鉄道ファンの飯田浩司アナウンサーと、今春に予定されている鉄道のダイヤ改正について対談した。
3月18日、東急新横浜線、相鉄新横浜線が開業する。これによって、東急電鉄と相模電鉄の相互直通が始まり、都心や埼玉と東海道新幹線新横浜駅が乗り換えなしで直結される。
土屋)鉄道も厳しい時代なんですよ。
飯田)運行本数の減便といった話が次々に出てきています。
土屋)「乗り鉄」「撮り鉄」など鉄道好きにもいろいろありますが、私は「企業努力鉄」と自称しています。鉄道会社がさまざまなサービスを平然と行っていることを誰よりも肌で感じて喜びを覚えるんです。ダイヤ改正は、その最たるところです。
例えば、「乗客の方をより早く家族のところへ帰してあげたい」という思いが急行を増やし、「なるべく遅くまで会議や飲み会をしてほしい」という思いが終電時間を遅くするわけです。こうした企業努力の結集がダイヤ改正であり、鉄道会社が年2回行う発表会のようなものです。ちなみに、ダイヤ改正は春と秋の天候が安定している時期に行われます。
ワクワクするサービスがたくさん始まるダイヤ改正ですが、ここ最近は減便が行われています。都市部の鉄道路線での減便は、かつてなら信じられない現象です。コロナ禍によるテレワークの浸透などで利用客が減ってしまったのが一因ですが、ちょっと寂しいですね。
ただ、今後のダイヤ改正では、結果的には座りやすくなると思っています。これまでは混雑が苦手だった方も、少しお金を足せば座れるという仕組みになっていくかもしれません。鉄道会社もそうした方向でマネタイズしないと継続できないです。
一方で、東京メトロの職員の方が「コロナ禍によって、これまで取れなかったデータを取ることができた」とおっしゃっていました。どういうことかというと、通勤ラッシュの時間帯にどの程度の乗車率ならダイヤが乱れないかというデータを初めて取れたそうです。コロナ禍以前は、通勤ラッシュの時間帯の乗車率が100%を超えるのは当たり前で、常にダイヤが乱れる状態でしたからね。
飯田)なるほど。東京メトロで特に混雑がひどいのが東西線の東陽町あたりです。かつては混雑率が200%を超えていました。しかも、東西線では車両の先頭と最後尾に近いところに改札のある駅が結構存在するため、改札に近い車両ばかり混雑してしまうことが長年の悩みでしたね。コロナ禍の初期には多くの人がテレワークになったため、乗車率が一気に低くなりました。その間に東京メトロはサンプルを取れたわけですね。
土屋)そういう意味では、鉄道会社にとってコロナ禍は悪いことばかりではなかったと思います。ダイヤ改正は鉄道の万博であり、皆が楽しくなるための発表会です。そんなふうに考えて楽しんでいただけたらいいと思います。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)