「弱かった」北朝鮮のミサイル着弾に対する岸田総理の「アナウンス」

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ジャーナリストの有本香が2月21日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日本の抑止力について解説した。

「弱かった」北朝鮮のミサイル着弾に対する岸田総理の「アナウンス」

2023年2月18日、記者の質問に答える岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202302/0218bura.html)

海保の警護で中国船を寄せ付けなかった石垣市の調査船 ~現場は頑張っている

飯田)北朝鮮からの短距離弾道ミサイル2発が日本海のEEZ外に着弾しました。アメリカの核抑止力も含めて、核の「拡大抑止」について進めていくということですが、日本の議論は「アメリカまかせ」のようなところを感じます。

有本)そうですね。ミサイルに対する抑止もそうですし、尖閣諸島の周辺海域での動きに関しても、現場は頑張っているのですよ。でも、全体としての意思が見えないところが非常に残念です。先日も石垣市が調査船を出して調査したではないですか。

飯田)尖閣諸島付近を。

有本)そのときのことを、実際に調査船をコーディネートした東海大の山田吉彦教授に詳しく伺いましたけれど、海上保安庁は決死の覚悟だったのです。また、自衛隊もそれをサポートしていた。

飯田)警戒にあたっていた。

有本)あのとき、実際に中国側はいろいろなアナウンスをしていましたが、それをまったく寄せ付けなかったわけです。それだけの体制を取れたということは、偏(ひとえ)に現場の、石垣市や山田教授など関係者を含めた頑張りなのですが、その姿勢を常に日本国として見せなければいけません。

飯田)本来的には。

北朝鮮からのミサイル着弾の際の岸田総理のアナウンスが弱かった ~最初に総理の「一声」があるべき

有本)その辺りがあまりにも物足りない。北朝鮮のミサイルが落ちたとき、総理のアナウンスも弱かったと思います。

飯田)着弾した直後に「総理指示」という形で、人命の安全確保や北朝鮮への抗議などは出てきましたけれど、報道陣の前に姿を現したのはその後、10時半ごろ……。

有本)大分経ってからです。最初に総理の一声があるのとないのとでは、大きく違いますよね。

飯田)やはり「許せないぞ」と示さなければならない。

有本)「これから具体的に検討する」、「情報収集に努める」ということだけでもいいわけです。それがまったくないというのは、違うのではないかなと思います。

中国からのミサイルが着弾した際にはNSCは開かれず ~ピントがずれてしまっている

飯田)危機管理体制として国家安全保障会議(NSC)など、機構の部分はつくっています。あとはそれをどう動かすかですよね。

有本)北朝鮮がミサイルを撃ってきた際には、一応NSCはルーティン的に開かれているのです。でもこの前、中国からのミサイルが着弾したときには、NSCは開かれませんでした。

飯田)ペロシ下院議長が台湾を訪問して……。

有本)着弾したのは日本の波照間島から約60キロ付近で、至近と言ってもいい距離です。それでも開かれないというのは、ピントがずれてしまっている感じがして不安ですよね。

日本のどこかにミサイルが着弾するようなことがいつ起きても不思議ではない

飯田)「この国をどうやって守るのか」ということですよね。いろいろな武器の話は出てきますが。

有本)テクニカルな話は出てくるのですが、意志の部分が本当に見えないのです。残念なのは、政府がそういう感じなのですが、これに対して国会側、あるいは与党・自民党辺りからも「強く突きあげる」という声が聞こえてきません。そういう意味での緊張感のなさは本当に怖いです。

飯田)「のほほん」としていていいのか。

有本)もっと踏み込んだ事態がいつ起きても不思議ではない状況です。起きたときにどうなってしまうのでしょうか。国民も、もしミサイルがどこかに着弾したら……。

飯田)陸地に。

有本)……という状況を想定したアナウンスはありませんよね。心の準備がまったくない。

飯田)かつて一部、自治体で避難訓練が行われたこともありましたが。

有本)自治体に任せてしまっていますよね。確かに住民避難は自治体の仕事です。ただ、災害における住民避難とは違います。「初動をどう取ればいいのか」という認識が共有されていないのは怖いですよね。

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