中央の「調整ができない」分裂選挙が目立つ自民党 統一地方選挙
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ジャーナリストの鈴木哲夫が3月9日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。告示まで2週間となった統一地方選挙について解説した。
盛り上がりに欠ける統一地方選挙
飯田)告示まであと2週間に迫る統一地方選挙ですが、第1ラウンドは投票日まで1ヵ月を切っていますね。
鈴木)地域によっていろいろな動きが出ていますが、全体として、いまひとつ盛り上がりに欠けています。特に中央です。永田町の中央の各政党なども、「統一地方選が大変だ」という空気にはなっていない感じがします。
コロナ禍の3年間、各自治体は選挙どころではなかった
鈴木)自民党の元選対のベテランとも話したのですが、やはりコロナが影響しているようです。コロナ禍だったこの3年間、国政は別ですが、各自治体は選挙どころではありませんでした。
飯田)そうですよね。
鈴木)その意味では、政策的な対立構図のようなものも出てこない。とにかくコロナを何とかしなければいけないのに、ここで政局をやっても仕方がないという空気はあったのだと思います。そのような下地もあり、「盛り上がらない」ところはあると思います。
自民党の分裂選挙が多い
鈴木)今回のポイントは保守、もっと言えば自民党の分裂選挙が多いということです。
飯田)多いですよね。
鈴木)徳島などはこの前取材しましたが、とても複雑です。
飯田)「四分五裂」という言葉がそのまま当てはまってしまうような感じですよね。
鈴木)いまに始まったことではなく、それまでの国政選挙の公認問題や選挙区の問題など、いろいろなことが下地にあるので、逆に根深いのです。
中央のコントロールが効かずに分裂するパターンが多い
鈴木)奈良などもそうですし、政令市の市長選挙でもそのようなところがあります。自民党の分裂については、余裕があるから分裂するという場合もあります。
飯田)余裕があるから。
鈴木)つまり、野党があまり強くないので、「自民党がどうせ勝つのだから」と平気で内輪喧嘩することができる。
飯田)野党が強くないから。
鈴木)もう1つは、中央のコントロールが効かないということです。何とか候補者を一本化しようとするけれど、上手くいかない。つまりガバナンスが効かずに分裂する。この2パターンがあるのです。そして今回は、後者の部分がかなりあります。
飯田)中央が調整できなくなっているのですね。
統一地方選での内輪もめが次の選挙に影響
鈴木)ある党本部の選対委員長が現地に入ったところ、「これはもうダメだ」と感じるものもあるようです。
飯田)もうダメだと。
鈴木)余裕を持って内輪喧嘩をしているのとは違いますから、その場合はかなり尾を引いてしまいます。次の選挙は補選や、解散だっていつあるかわからない。つまり国政選挙ですよね。今回の選挙で仲間内で揉めたことが響いてくると、次の選挙に影響が出てしまいます。その辺りを自民党の中央の選対関係者は心配しています。
統一地方選挙で地方議員を600人以上に増やすとする維新の会 ~地方議員が誕生すれば地方組織ができ、国政につながる
飯田)統一地方選挙は知事選や市長選もありますが、一方で都道府県政令市などでは議会議員選挙もあります。
鈴木)そこはポイントですよ。
飯田)この人たちが国政選挙でも大車輪になる。
鈴木)維新の会などは全国で600人と言っていますが、最初は「目標800人」と言っていたくらいです。地方議員が誕生すれば、地方組織ができます。そうすれば国政につながる。だから、そちらの方に賭けているのでしょう。立憲なども、どれだけ地方議員が獲れるかがポイントになります。
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