岸田総理の「ウクライナ電撃訪問」が歴史的にも重要である「意味」

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が3月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。岸田首相のウクライナ電撃訪問について解説した。

岸田総理の「ウクライナ電撃訪問」が歴史的にも重要である「意味」

2023年3月21日、ブチャで献花する岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202303/21ukraine.html)

岸田総理がウクライナ訪問の意義を説明

ウクライナ電撃訪問の意義について、岸田総理は「先進7ヵ国(G7)議長国として、ウクライナ侵略への対応を主導する決意を示すことができた」と強調した。

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岸田総理)今回のウクライナ訪問により、現地の状況をより実感をもって把握することができました。また日本とウクライナとの関係はより一層強固なものとなり、G7議長国を務める日本として、ウクライナ侵略への対応を主導する決意を示すことができたと考えております。

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WBCのニュースで埋もれてしまった日韓首脳会談

飯田)岸田総理は3月23日早朝に羽田に着き、官邸へ直行し、午後には答弁に立ちました。

宮家)この1週間、いろいろなことがあったでしょう。韓国の大統領が来て、ドイツの首相にも会った。

飯田)ドイツのショルツ首相。

宮家)そしてウクライナとポーランドを訪問した。しかし、この期間はワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の時期と重なりました。

飯田)そうですね。

宮家)日韓首脳会談はとても重要だったと思うのだけれど、ニュースは野球ばかりでほとんど取り上げられなかった。それはそれでいいのですが、もう少し外交についても関心を持って欲しいと思うときもあります。今回の一連の外交で日本は、かなり頑張ったのではないでしょうか。

飯田)それぞれに実績を積み上げた感じですよね。

岸田総理のウクライナ電撃訪問が画期的だったもう1つの理由 ~「日本の政治家は秘密を守る権利がない」50年前のキッシンジャー元大統領補佐官の発言

宮家)画期的だと思ったのは、電撃でウクライナに行ったことです。大統領補佐官だったキッシンジャーさんは50年前、「日本の政治家には秘密を守る権利がない」と言っていました。だから彼は日本に何も言わず、(ニクソン元大統領の訪中の合意を行うために)北京に行ったわけですよ。

飯田)キッシンジャーさんが。

宮家)秘密外交を行ったわけです。日本は秘密を守れないから情報が来なかったのです。

飯田)事前に漏らされると困るから。

宮家)それが今回はようやく電撃訪問の形で実現した。なぜこれまで情報が守れなかったのかを考えると、主要マスコミの総理外交報道が政治部主導だからダメなのだと思います。

飯田)日本は。

宮家)官邸にいる各社政治部の記者はもちろん、優秀な方々ばかりです。しかし、彼らは内政に重点を置き、外交を内政的観点から見るのです。「G7でウクライナに行っていないのは、あなただけではないですか。それでは支持率が下がりますよ」などということばかり考えてしまう。でも、岸田総理が仮にウクライナへ行かず、広島でG7会合を開いても……。

飯田)サミットを。

宮家)他の首脳は「あなただけ行っていないですよね」などと誰も言うわけがないのです。もっと大事な話題はいくらでもある。日本の総理外交報道には、外交や国際情勢についてもう少し専門家を育て、外交のことは外交専門家の記者に書かせるべきです。

「ロシアのように間違ったことをすれば大きな報いがある」と示さなければならない ~ロシアの力による現状変更を許さないのは日本の問題でもある

宮家)岸田総理がウクライナになぜ行ったのか。大事なことは、ウクライナ戦争がヨーロッパ・アメリカとロシアの戦争ではないということです。ウクライナ戦争の教訓は、欧州に大きな国があり、そこに独裁者がいて、大変な判断ミスでとんでもないことをしてくれた、わということ。しかし、同じようなことをする可能性があるのはプーチンさんだけではありません。

飯田)同じようなことをする独裁者は。

宮家)我々の近所にも、誰でも知っている独裁者が、大きい国と小さい国にいるではないですか。あの人たちがプーチンさんと同じような判断ミスをしないという保証などないのです。そうであれば、我々は「プーチンさんのようなことをすれば、とんでもない報いがありますよ」ということを具体的に示さなければなりません。

飯田)近所にいる2人に。

宮家)その人たちに「やはり、やめておくか」と思わせるためには、ロシアに対し厳しく対応しなければいけないわけです。

飯田)間違っても「プーチンさんが成功したのだったらこちらも」とならないように。

宮家)「侵略し得」、「攻撃し得」になれば、国際秩序が崩れてしまいます。そう考えるとアジアのG7議長国の首脳がウクライナを訪問し、強い連帯を示すのは当然のことです。これは日本の問題でもあるのです。

現場を見てのメッセージは重みがある

飯田)虐殺が行われたブチャにも行きましたが、総理の顔つきがまったく変わっていました。

宮家)やはり政治はその場に行き、現場を見て経験することが大事です。現場に行った上でのメッセージの重みは確かにあります。行かないよりは行った方がよいに決まっているのですけれど、日本では必ずしもそういう議論にはならない。総理外交は内政的な側面よりも、外交的に見ていただいたらいいのではないでしょうか。

飯田)むしろどういうメッセージを出すかということですね。

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