野球の国・地域別対抗戦、第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で、日本を3大会ぶり3度目の世界一に導いた野球日本代表の栗山英樹監督の会見が27日、東京都内の日本記者クラブで行われた。会見を取材したニッポン放送の小永井一歩アナウンサーが同日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。栗山監督への質問を小永井アナウンサーに預けた辛坊は、栗山監督からの回答を聞き、「今、『理想の上司』アンケートをとったら、1位は間違いなく栗山監督だ」と采配ぶりをたたえた。
小永井)会見の前日、辛抱治郎さんから栗山英樹監督への質問を預かっていました。それを受けての、会見での栗山監督との質疑応答をご報告します。
小永井の質問)決勝での投手起用について伺います。8回はダルビッシュ有投手、9回は大谷翔平投手の継投で試合を締めくくるという構想は、決勝後の会見では「昨年の段階から考えていた」と話されていました。実行に移すと判断されたのは、どのタイミングだったのでしょうか。また、普段は継投での登板がほとんどない2人がWBC決勝という緊迫した舞台でマウンドに上がったわけですが、どのような思い出送り出されたのでしょうか。不安や迷いはなかったのか、教えてください。
栗山監督の回答)自分が日本代表の監督を務めると想定してみてください。アメリカの地で、しかもメジャーリーグのスター選手が出てくることは分かっています。そうした中、最後を抑えられるのは誰かと考えたとき、最初に頭に浮かぶのはダルと翔平の2人だと思います。ただ、最終的に決まったのは決勝の日に練習場に入り、本人が投げられるかどうかを確認してからです。最初からそうしたイメージを持っていたのは事実ですが、最後まで考えには幅を持たせていました。
思ってはいけないことなのですが、2人をマウンドに上げて逆にやられたら、しょうがないとも考えました。彼らがやられるのであれば、納得できますから。そこまで僕は信頼しているので、不安も全くありませんでした。
継投については、僕は翔平を日本シリーズで抑えとして起用しています。ダルも2009年のWBCで抑えを務めています。今大会では、出場が決まっていない段階で、「出場するならどのポジションでもやります」と言ってくれていました。彼らは自分のことよりも「他人のため」「日本の野球のため」と考えていてくれました。それが大きいです。ですから、不安は全くありませんでした。
2人を決勝のマウンドに送り出した時点で、僕の仕事は終わったと思っていました。勝ち切ってくれた2人には感謝しかありません。
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小永井)決勝では、2人が登板するまで比較的若手の投手たちが継投しましたが、栗山監督は「皆、マウンドで足が震えていた」と明かしています。「僕がマウンドへ指示を送っても、緊張して聞こえていないようだった」とも語っています。そこで、8回、9回は大リーグを経験しているダルビッシュ投手と大谷投手の2人にしか乗り越えられないと判断したわけです。そして、「もし2人がやられたら、しょうがない」とも考えていたんですね。
辛坊)村上宗隆選手の起用も同じ考えだったのでしょう。「村上選手で駄目なら、しょうがない」と。この感覚ですよね。人生には、そういうときがありますよ。「これで駄目なら、もうしょうがない」というときが。ある、ある。
小永井)そこで開き直った采配が、漫画のような展開につながりました。
辛坊)今、「理想の上司」アンケートをとったら、1位は間違いなく栗山監督ですね。
小永井)ぶっちぎっちゃいますね。
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[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)