米でも「兵士が不足」 背景にリアルな人間関係が希薄な「いまどきの事情」

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地政学・戦略学者の奥山真司が3月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。採用達成率が過去最低となった任期制自衛官について解説した。

自衛隊で成人行事 155ミリ榴弾砲を綱引きする新成人自衛官たち=2021年1月12日、陸上自衛隊松山駐屯地 写真提供:産経新聞社

任期制自衛官の採用達成率が過去最低に

防衛省が2023年春に採用する任期制の「自衛官候補生」が採用計画数を大幅に下回り、現行制度となった2009年度以降、達成率が最低の6割程度となることがわかった。

飯田)2~3年の期限付きで採用されていて、「士」の階級に属する最も現場で働く隊員が足りていない。高卒中心であり、採用年齢も33歳未満に引き上げられたということです。

自衛隊における中途採用の人事問題

奥山)私は自衛隊幹部の方々との付き合いがあり、いろいろと話を聞きますが、彼らは採用に関して常に問題意識を持っています。私は自衛隊の学校で指導もしていますが、中途採用の人事問題を論文のテーマとして書いてくる方がいらっしゃいます。

飯田)人事の問題を。

奥山)これからの自衛隊は中途採用しなければならないという問題意識を持っていて、研究されている方がいました。ジョブ型の雇用、技能だけを特化して中途で採用する。つまり、新入社員から育てる形ではなく、技能があれば途中で採用するというやり方があります。

飯田)「この仕事をやってください」ということで募集する。

自衛隊に中途採用で入る場合、「どんな仕事をさせられるかが見えない」という問題がある

奥山)自衛隊もそうしたいと思っているのです。しかし、中途採用で来る方々への調査結果を見たことがありますが、自衛隊に中途採用で入ってくる方々の共通の悩みは、「どのような仕事をするのかが見えなかった」ということです。自衛隊に入ったときに「どんな仕事をさせられるのかわからない」と言うのです。

飯田)入ったあとに。

奥山)民間企業であれば、ある程度「こういう仕事をしてください」という目安がありますが、自衛隊はどうしても組織の構成上、いろいろと配置換えもしなくてはならないので、わからなかった。日本では、一般的な会社はメンバーシップ型雇用ではないですか。

飯田)辞令一本で何でもやれと。

仕事内容が外から見えるように改革しなければならないという問題意識はある

奥山)メンバーシップ型、つまり新入社員から入って育てられる形ですが、自衛隊としてはジョブ型雇用をしなければならないという問題意識があります。

飯田)ジョブ型雇用を。

奥山)なおかつ、外にも「こういう仕事がありますよ」と見せていかなくてはならない。改革しなければならないという提案は出ているらしいのです。

飯田)改革しなければならないと。

奥山)国防を考える人間としては、自衛隊にどんどん入っていただきたいのですが、自衛隊側も外に向かって「こういう仕事があり、こういう業種を求めています」と、透明性を持って示せるような組織にしなければならないとは思っているのです。

アメリカでもリアルな人間関係が薄れ集団生活に馴染めない若者 ~兵士が不足

飯田)「若者をどうするか」というところは、各国でも悩みがあるのでしょうか?

奥山)アメリカでも同じような事態があり、採用目標に対して兵士が不足しています。その一因として、「アメリカの男性が孤独になっている」からではないかと言われています。

飯田)孤独になっている?

奥山)日本も同じですが、SNSの時代でリアルな人間関係が薄れてしまい、軍隊のような集団生活に馴染めない若者が多いのです。

飯田)寝起きも共にする集団生活の部分で。

奥山)いまはみんなが孤立して動き、スマホを使ってSNSでつながることが当たり前になっている。でも潜水艦などがそうですが、業種として自衛隊ではスマホを使えない部分があります。

飯田)そうですね。

奥山)SNSを禁止できるかというところも問われてくるのです。若者に対しては厳しい組織なのかも知れません。

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