“生活支援”と“子どもを産む環境づくり”は「別問題」

By -  公開:  更新:

経済アナリストのジョセフ・クラフトが4月4日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。4月3日に本格的に業務を開始した「こども家庭庁」について解説した。

“生活支援”と“子どもを産む環境づくり”は「別問題」

2023年4月3日、記念撮影をする岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202304/03hossokusiki.html)

「こども家庭庁」本格始動

こども政策の司令塔となる「こども家庭庁」は4月3日、本格的に業務を開始した。厚生労働省や内閣府など複数の省庁が縦割りで担ってきた少子化対策・子育て支援をまとめる。3日の発足式で岸田総理大臣は、「子どもたちにとって何が最もよいことなのかを常に考える。こどもまんなか社会の実現が使命だ」と強調。「子ども・子育てに優しい社会づくりをリードしていくことを期待する」と語った。

飯田)少子化対策については、ここ20~30年、ずっと言われていることでもあります。

子どものいる家庭への生活支援と子どもを産む環境づくりは別問題 ~分けて政策をつくるべき

クラフト)このような話になると、生活支援と少子化対策、つまり出生率を上げる政策がごちゃ混ぜになってしまい、よくわからないのです。

飯田)生活支援と出生率を上げる政策が。

クラフト)この2つはまったく別次元の問題です。子どもがいる家庭の生活を少しでもサポートするような生活支援については、給付金や減税など、いろいろなやり方があるけれど、それが行われたからといって子どもを産もうとは思いません。

飯田)そうですよね。

クラフト)子どもを産む環境づくりはまた別の問題です。分けて政策づくりをしないと、中途半端に終わってしまう。これまではそのような過程を踏んできてしまっているため、整理していただきたいと思います。

こども家庭庁がどこまで主体となって政策や制度を主導できるか ~小倉担当大臣のリーダーシップに期待

クラフト)こども家庭庁の設立に関しては、厚生労働省が担っていた母子保健や虐待防止、保育所、ひとり親家庭支援などをこども家庭庁に持っていく。内閣府であれば児童手当、子どもの貧困対策、少子化対策をこども家庭庁に持っていく。文部科学省であれば、幼稚園、小中学校、高校ですが、今回は移管せずに連携することになっています。縦割りをなくしていくのはいいことだと思います。

飯田)縦割りをなくすことは。

クラフト)そのような権限を受けて、こども家庭庁がどこまでイニシアチブを発揮するのか。いま見ている限りでは、発足したばかりなので仕方ないのですが、少し官邸主導で動いているような面があります。こども家庭庁が主体となって、どこまでいろいろな政策や制度を主導していけるかどうかが見ものだと思います。

飯田)担当には小倉大臣が就くということで、大臣の手腕も問われます。

クラフト)リーダーシップに期待したいですね。

飯田)省庁の横串のようなものは、政治のリーダーシップが大事だと言われます。

クラフト)やってみるとなかなか上手くいかないケースが多いので、そこは小倉大臣に上手くやって欲しいと思います。

番組情報

飯田浩司のOK! Cozy up!

FM93/AM1242ニッポン放送 月-金 6:00-8:00

番組HP

忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。

Page top