東京都医師会・尾﨑会長が語る「新型コロナ“後遺症”の現状」
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東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が3月30日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。未だに多くの人が苦しむ新型コロナウイルス感染症の後遺症について語った。
新型コロナウイルス感染症の後遺症の現状 ~10%~40%の人に何らかの後遺症
飯田浩司アナウンサー)新型コロナウイルスの後遺症は「Long COVID」などとも言われます。心配な方も多いと思いますが、現状はどうなっていますか?
尾﨑)いろいろな研究報告がありますが、10%~40%くらいの方が療養期間を経ても何らかの症状が残っているということです。1年ぐらい経過しても、約5%の方は後遺症が残ってしまうと言われています。やはり後遺症は大きな問題だと思います。
飯田)5%の人が。
尾﨑)味覚・嗅覚がなくなるなど、いろいろな後遺症が日常生活に影響を与えてしまいます。なかには仕事を続けられなくなってしまう方もいるようです。
飯田)症状を聞くと、味覚や嗅覚、倦怠感が残るなど、人によってさまざまのようですが。
尾﨑)頭痛や頭がすっきりしないなど、脳の症状もありますし、味覚・嗅覚の異常もあります。あるいは咳が残る、倦怠感が続くなど、多彩ですね。
新型コロナの後遺症にも効く薬「ゾコーバ」
飯田)若い世代を含めての対策はあるのでしょうか?
尾﨑)後遺症にある程度効くのではないかという薬も出てきていますので、そういう薬をどう使うかでしょうね。
飯田)「ゾコーバ」は後遺症にも効くという報道が出ていますが、どういう薬なのですか?
尾﨑)後遺症のリスクを約45%下げるという結果が出ています。ゾコーバは併用禁忌薬ですので、同時に使ってはいけない薬が多くあります。ただ、若い方の後遺症を防ぐという意味では、若い方だと慢性的に薬を飲んでいる方は少ないと思いますから、ゾコーバを使うのも1つの対策だと思います。
5日間「ゾコーバ」を服用する
飯田)ゾコーバはどんなタイミングで飲むのですか?
尾﨑)発病した最初の日にある程度の量を飲んでもらって、次の日からは1錠ずつ4日間飲んでいただきます。合計5日間です。
新型コロナは今後どうなるのか?
飯田)新型コロナウイルスに対して、この先はどう考えていけばいいでしょうか?
尾﨑)5類になることで国の定める細かい規制が外れますが、この機会にコロナウイルスが消えるわけではありません。今後、どのような展開になるのかわからない面もあります。
飯田)そうですよね。
尾﨑)しかし、抗体を持つ方が増えてきているのも事実です。そういう意味では、感染する方が減ってくる可能性は高いと思います。そのなかでどうやって自分で気をつけるか、感染防御の対策を続けていくかが大事だと思います。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます