キャスターの辛坊治郎が4月11日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。就任後で初となる記者会見に臨んだ日本銀行の植田和男総裁について、「(前総裁である)黒田東彦氏の負の側面を全て受け継いだ。植田氏は、よく引き受けたな」と指摘した。
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日銀で記者会見する植田和男総裁=2023年4月10日午後8時03分、東京都中央区(代表撮影) 写真提供:産経新聞社
日本銀行の植田和男総裁は10日、就任後で初となる記者会見を行い、現在の大規模な金融緩和について「続けていくのが適当だ」と語った。一方で、緩和策が長期化していることから「さらに緩和が必要な場合には、副作用に配慮しつつ持続的な枠組みを探っていく」と修正の可能性を示唆した。
辛坊)日本銀行が政策変更するタイミングが注目されます。おそらく4月は、「新総裁なったばかりだから、すぐには政策変更しないだろう」と皆が思っているでしょう。ただ、6月の段階でも物価が上がり続け、円安も継続していると、外国資本などが日本の国債を売り浴びせるタイミングがやってきます。そうなると、当面は金利を上げないという方針で黒田東彦氏から総裁職を受け継いだ植田和男氏ですが、そういった外国資本などによる圧力によって金利を上げざるを得なくなるという局面にならないとも限りません。
私はつくづく、「植田氏は、よく引き受けたな」と思います。現状のまま全てが穏やかに継続し、「低成長で困ったものだ」といった緩い批判で5年、10年続けられる可能性は極めて低いからです。つまり、どこかのタイミングで円安と国債安の仕掛けに対抗せざるを得ないわけですが、対抗策が見えません。
金利を上げるということになれば、大変なことです。金利も上げられない、取るべき手段も限られています。植田氏は10年間に及ぶ黒田氏の負の側面を全て受け継いでのスタートです。当面はこのまま穏やかに過ごせても、その先はどうなるか分かりません。そうした背景のある、総裁就任後で初となる記者会見でした。