ジャーナリストの有本香が4月25日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。4月23日に投開票された衆参5補選について解説した。
衆参5補選で自民党4議席、維新は1議席を獲得 ~30代の候補3人が「憲法改正」を明言
有本)今回、補選がありましたね。参議院は1つありますけれど。
飯田)大分ですね。
有本)衆議院の4つでは、1つを維新が獲った以外、自民党が獲っています。また、3つの選挙区に30代の候補がいました。
飯田)確かにそうですね。
有本)共通点を言うと、30代の候補3人が3人とも「憲法改正」を明言しているのですよ。時代が変化したな、という感じがします。
飯田)そうですね。
有本)いままではそういうことをはっきり言っても票にならないし、「むしろ反発を買う」と言う自民党の政治家も多かったのです。しかし、いまは「危機的状況」ということをアピールした方がいいと考えている政治家が出てきたのでしょう。
千葉5区の投票率は38.25%と低かった ~楽勝のはずが苦戦
有本)補選だから仕方がないところもありますが、千葉5区の投票率は38.25%です。あまりにも低いですよ。本当にギリギリ勝ちましたからね。
飯田)7人の候補が乱立して票が割れたところで、自民党が少しだけ抜けた。
有本)それでも勝ちは勝ちですし、勝った英利アルフィヤさんには悪いけれど、自民党は最初、楽勝だと思っていたのですよ。野党が割れてくれたから。
飯田)なるほど。
有本)「それほど苦労しなくても勝てる」という感じだった。そこに新人を持ってきました。ところがなかなか浸透せず、情勢調査が悪い。それで執行部は焦り、大物が次々と応援に行った。金魚鉢と言われるガラス張りの選挙カーを走らせて、そこに茂木幹事長が乗り込んだりと、すごい応援だったのです。でも結局、約5000票の差だった。
薗浦元衆院議員の約12万票の半分の票も取れなかった英利アルフィヤ氏で候補者はよかったのか
有本)もう1つ気にしなければいけないのが、浦安・市川には私も住んでいたことがあるのですが、あそこは人口が増えているのですよ。
飯田)そうですね。マンションがたくさん建って。
有本)昔からあそこに住んでいる地付きの人と、新市民という2つの階層の方々がいるのですが、無党派層も多いのです。そこで自民党は今回、なぜあの候補者を立てたのでしょうか。まったくの新人ですからね。
飯田)そうですね。
有本)前の薗浦さんは金銭スキャンダルで辞めたのですが、あの人は前の総選挙のときに12万票近く取っている。その半分を取ればいけると言われていたのですが、半分に届かなかったのですよ。あそこまでやって。「執行部としては、反省するべきところがあるのではないか」と申し上げたいですね。
飯田)組織をつくることや政策を訴えて、というよりも。
有本)それよりも薗浦さんが金銭スキャンダルで辞めたので、違うタイプの人を出せばいいだろうと安易に思ってしまった節がありますよね。有権者から見て、それは違うのではないでしょうか。
苦戦し、自民党にも多くの反省点が残った今回の補欠選挙
飯田)対立候補には立憲民主党の矢崎さんがいました。
有本)矢崎さんはもともと千葉県議会議員で、しかも地元の人ですから知名度があります。ざっくり言うと市川市が50万人近い人口で、浦安区が約15万人です。65万人近いでしょう。前の薗浦さんが約12万票ということは、5分の1ぐらいを取っていたわけですが、今回の英利アルフィヤさんは約5万票です。
飯田)1割の票も取れていなかった。
有本)いくら何でもというところですね。勝つことは勝ちましたが、反省が相当残る選挙区になったのではないかと思います。
飯田)むしろ無党派層にこそ政策を訴えるような時代になったのかも知れない。
有本)頑張っていろいろとやっていたけれども、訴える中身に引きつける力がなかったのでしょうね。山口2区と4区は当初から勝てると言われていた。ただ、2区も思ったよりは苦戦しましたね。
飯田)そうですね。
有本)この辺りはいろいろな反省材料があります。なぜなら、解散総選挙が近いと言われていますから。
飯田)そこですよね。
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