東京都医師会副会長の角田徹氏が5月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。5月8日から感染症法上の位置付けが5類へ移行する新型コロナウイルスの対応について解説した。
新型コロナが2類相当から5類へ移行
5月8日から新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが、2類相当から季節性インフルエンザなどと同じ5類に移行される。感染者数の発表方法や医療体制など、これまでとは異なる対応が始まる。
受診する際にはこれまで通り、事前に医療機関へ連絡し、医師の指示に従って受診する
飯田)5類に移行すると何が変わるのでしょうか? 医師の立場として、変わるところはたくさんありますか?
角田)コロナウイルスが急に変わるわけではないので、患者さんの重症化予防や他人にうつさないということを考えると、いままでと同じ対応はいたします。
飯田)診療や診察、治療の流れもそれほど変化はないのですか?
角田)基本的には同じです。ただ、感染症法上の2類相当から外れるので、いろいろと強制されることはなくなります。罹ったら自宅で過ごすなど、ご自分の判断で行っていただくことになります。
飯田)自分の判断がより重要になってきますが、病状などを考えると、なかなか外に出るのは難しいですよね。
角田)医療機関を受診するときには、これまでと同様に医療機関へ事前に連絡し、指示に従って受診するのが原則です。
飯田)診てくれるお医者さん、クリニックなどの数は増えるのでしょうか?
角田)増えると思います。いままでの2類相当だと、いろいろな規制があって検査できないところもありましたが、5類であればインフルエンザと同じになりますから、インフルエンザを診ている医療機関の数に近付くと思います。
医療費の自己負担額は4000円~5000円程度
飯田)医療費の負担はどうなりますか?
角田)いままでは、検査や治療に使う投薬の自己負担分は公費負担でした。つまりご本人は無料だったのですが、5類になることによって、インフルエンザなどと同じように検査や治療における自己負担額は出ます。
飯田)無料ではなくなる。
角田)ただ、コロナ特有の薬、中和抗体薬や「パキロビッド」などの特殊な薬は高価ですので、それらの自己負担分はいままで通り公費になります。一般的に考えて、いままでコロナ前にインフルエンザに罹って医療機関を受診したときは、自己負担分が約4000~5000円だったと思いますが、それとほぼ同額になると思います。
入院費には公費の補助が出る ~通常は1人1万円ほどで済む
飯田)入院費用はどうなりますか?
角田)入院のときも公費からの補助がありまして、大雑把ですが1人1万円ぐらいで済むと思います。時間など、いろいろな状況にもよりますが。
飯田)陽性が判明した場合、外出の制限はないとおっしゃいましたが、療養期間としては、ウイルスが変わったわけではないですよね?
角田)その通りです。やはり他の人にうつすことがいちばん心配ですから、強制はできないのですが、発症した翌日から5日間はご自宅にいていただく。他の人に接しないようにしていただくことを私共はおすすめしています。
ワクチン接種は今年度は無料 ~通常は年1回
飯田)ワクチンについてはいかがですか?
角田)今年度はいままで通り、無料で受けられます。ただ、既定の回数が終わった人は、秋以降に「年に1回」という形になります。高齢者や基礎疾患があって重症化する可能性がある人、または医療従事者はこの春から打つことができて、「年2回接種」という形になります。
飲食店などの今後の対応
飯田)お店などは今後、どう対応していったらいいでしょうか?
角田)強制がなくなるので、それぞれのお店の判断になりますが、やはりコロナの感染力はありますので、密閉空間はしっかり換気するなどの対応を行う。また、手洗いはいままで通り続けていただくと安全だと思います。
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。