産経新聞ソウル支局長、桜井紀雄氏が5月10日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。就任1年を迎えた尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の評価について現地から報告を受けた辛坊は、「リスクを冒しながらも、よくやっている」と指摘した。
韓国の尹錫悦大統領が10日、就任1年を迎えた。今月行われた世論調査によると、尹大統領の国政運営に対する支持率は37.5%、不支持率は60%となっている。
辛坊)この世論調査の結果については、どのようにご覧になっていますか。
桜井)尹錫悦大統領の就任直後の支持率は約50%でした。その後、支持率は30%台を行ったり来たりしています。ただ、世論調査の中には支持率20%台という結果もありましたので、若干盛り返している数字だとみています。
辛坊)徴用工訴訟問題をはじめ、輸出手続き簡略化などの優遇措置の対象国となる「グループA(旧ホワイト国)」からの韓国の除外などを巡り、韓国の対日外交は最近、日本より先に折れる傾向にみえます。尹大統領のメンツや韓国の国内世論を考えると、普通はしないだろうということを、尹大統領はしてきています。私は、それなりにすごい人なのではないかという気がするのですが、逆に韓国国内では人気が出ないだろうなとも思います。
桜井)韓国のある政府関係者によりますと、対日関係で何かすると批判の対象になるので、最善は何もしないことだといいます。確かに、文在寅(ムン・ジェイン)前大統領は徴用工訴訟問題などで何の解決策も示さずに放置しました。また、そうした韓国側の姿勢に対し、日本がグループAから韓国を除外するなどの対抗措置を取ると、反日感情をあおり高い支持率を維持したまま退任しました。文前大統領は、このように対日問題がいかに難しいかということを国内に示していました。
辛坊)そういう意味では、尹大統領はリスクを冒しながらも、よくやっていると思います。
桜井)そうですね。特にアメリカは日韓首脳会談後、「日韓双方がリーダーシップを見せてくれた。良い手本になる」といった評価をしています。私も、外交というものは最高指導者の判断によって、こんなにも劇的に関係を良くすることができるのだということを実感しました。リーダーシップとは何たるか見せてくれた典型的な事例です。このことは、産経新聞に限らず、他紙の支局長たちも皆、驚きを持って受け止めていました。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)