韓国・尹政権は「レーダー照射事件」のトゲをどう抜くつもりなのか
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数量政策学者の高橋洋一が5月10日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。今後の日韓関係について解説した。
韓国・尹錫悦大統領、就任から1年 ~約12年ぶりにシャトル外交を再開
飯田)韓国・尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が5月10日で就任から1年となりました。岸田総理も5月7日~8日と韓国に行き、首脳会談も行いましたが、どうご覧になりますか?
高橋)シャトル外交は李明博(イ・ミョンバク)政権以来なので、10年ぶりぐらいですよね。シャトル外交を行うのはいいと思いますが、いまは安全保障が厳しい折だからということでしょう。
レーダー照射事件の棘をどう抜くのか
高橋)安全保障に関して刺さっているトゲを、どのように抜くのかなと思いますね。やはり、文在寅政権のときのレーダー照射事件です。
飯田)日本の哨戒機に対して。
高橋)レーダー照射に関してはどうするのかなと思ったら、防衛大臣のところに下ろして進めるようですね。尹さんが来日した際、その話題は一言も話さなかったので、いい傾向かなと思ったのですよ。
飯田)そうでしたね。
高橋)しかし尹さんが帰ったときに、また韓国軍の人が「あれがなかった」と言ってしまったでしょう。同じ状態ではないかと思いました。何も言わなければ変化が見えたのですが、また言ってしまった。やり直してどうするのかなと思います。そこがすっきりしないと、日米韓で連携しようと思っても、安全保障に関して現場の人は釈然としないと思います。
冷静に再発防止を求めた日本側 ~謝罪を求めたわけではない
飯田)レーダー照射と、電波を当てたというようなことを言いますが、あとは引き金を引けば「ミサイルが飛び出て航空機を撃墜する」というギリギリまでいったわけですものね。
高橋)驚きましたよね。
飯田)コクピットでは警報音が鳴ったと言われています。
高橋)当時の河野幕僚長に聞いたことがありますが、帰ってきて慎重に全部をチェックし、間違いないということで、レーダー情報の相互開示を求めたそうです。
飯田)慎重にチェックして。
高橋)でも河野さんは冷静ですから、謝罪を求めたのではなく、「なぜそんなことになったのですか? 再発防止をしてください」と言ったのです。それなのに「そんな事実はない」と言われたので、驚いたようですね。ないということはないだろうと。
飯田)日本側の狂言だと言いたいのか、という話になってしまいますものね。
高橋)追及するつもりはまったくなかったそうです。でも、「ない」という話になれば、自衛隊側も引けなくなってしまうのではないでしょうか。
「今後は韓国軍との関係も改善する」海自トップ
飯田)ある意味の雪解け的な流れのなかで、海上自衛隊トップの酒井幕僚長も会見で、それはそれで別トラックで行うのだと、苦渋の形で飲むということです。「韓国軍との関係も改善していく」という話も出ています。
高橋)いろいろなことと並行して進めるのでしょうけれど、でも「(レーダー照射が)なかった」という話になると、最後は信頼の問題になると思います。
尹政権が文在寅政権で行ったことをすべてなしにしてくれたら、これはこれで1つのやり方
飯田)日本側として、韓国の政権発足当初には何度も関係改善のようなことを言うのですが、結局は政権末期になると反日になる。その繰り返しです。そこは冷ややかに見ている人たちも多いような気がするのですが。
高橋)尹政権は5年でしょう。1期しかありませんからね。また前の革新系の政権に代われば、「同じことになってしまうのではないか」と思います。尹政権で前の文在寅政権がやったことを全部なしにしてくれたら、これはこれで1つのやり方だと思いますが、全部なしにはならないでしょうね。
飯田)我々としてはレーダー照射事件の経緯を明らかにして、再発防止をしてくれればそれでいいのですけれどね。
高橋)あとは慰安婦像や慰安婦基金の話もあります。これは岸田さんが対応していたものですからね。
飯田)外務大臣時代に。
高橋)それを全部なしにしてもらった方がいいかなと思います。
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