ジャーナリストの須田慎一郎が5月15日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。5月14日に大統領選挙の投票が行われたトルコについて解説した。
大接戦のトルコ大統領選挙 ~50%達成が見えてきたエルドアン大統領
トルコでは5月14日、大統領選挙の投票が行われ、開票作業が進んでいる。トルコのアナトリア通信によると、日本時間午前6時時点の開票率は92.98%。得票は、現職のエルドアン大統領が49.68%、野党統一候補のクルチダルオール氏が44.58%と伝えている。
飯田)過半数に達しないと決選投票になるということですが、いまギリギリのところにいますね。
須田)エルドアン大統領は50%達成が見えてきたのではないかと思います。ただギリギリですから、どうなるかはわかりません。あれだけ経済的に物価高騰などで失政をしておきながら、これだけエルドアン支持が高いというのも、非常に面白い展開だとは思います。
(※編集部注:2023年5月15日午前7時30分時点の情報)
EUとの接近にブレーキをかけて独自路線を打ち出したエルドアン政権
須田)エルドアン氏はトルコ国民の、ある種のナショナリズムに訴えていたのかなと思います。トルコは北大西洋条約機構(NATO)加盟国ではないですか。その一方で長年、EUに加盟したい思いがあり、国内の道路をEU規格にし、農業政策もEUに受け入れられるような体制に切り替えようとして、国内で混乱が起こってきたことも間違いありません。
飯田)体制を切り替えようとして。
須田)EUサイドは最終的に、トルコの加盟については「ノー」である可能性が高い。エルドアン政権になってからは、西欧との接近にブレーキをかけて独自路線を打ち出したということが、今日につながっているのではないかと思います。
次の体制になったとき、トルコは西側とどのような関係性を構築するのかが大きなポイントに
飯田)ロシアによるウクライナ侵略においても、独特のポジションで穀物の輸出などに尽力しています。エルドアンさんもそのような部分では存在感を見せていました。
須田)そうですね。ヨーロッパとアジアの中継地点としての地域大国であり、しかも黒海に面しているため、ウクライナ戦争においては存在感を見せつけました。
飯田)そうですね。
須田)トルコが次の体制になったとき、西側であるアメリカ・ヨーロッパ・日本と、トルコの関係性をどのように構築していくのかが1つの大きなポイントだと思います。トルコもグローバルサウスという枠組みのなかで捉える必要があるのかなと思います。
もともと親日のトルコだが
飯田)大統領選の最中ですので、今回のG7に呼ぶわけにはいきませんでしたが、日本としても、トルコとの関係性の構築は期待しているところです。もともと親日国でもあります。
須田)日本に対して親しみを持っていることは間違いありませんが、トルコの国益を最優先すると、必ずしも日本と無条件にいい関係を結ぶわけではないと思います。
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