立民・泉代表、衆院選150議席未満なら辞任 「無謀だ」辛坊治郎が持論

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キャスターの辛坊治郎が5月15日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。立憲民主党の泉健太代表が、次期衆院選の獲得議席が150議席未満なら辞任すると明言したことを巡り、「自民、公明、維新の3党によるガチンコ対決になりそうなのに、無謀だ」と持論を展開した。

立民・泉代表、衆院選150議席未満なら辞任 「無謀だ」辛坊治郎が持論

会見する立憲民主党の泉健太代表=2023年5月12日午前、国会内 写真提供:産経新聞社

日本維新の会は14日、臨時党大会を開き、馬場伸幸代表の続投を決定した。馬場代表はその後の挨拶で、「次期衆院選で野党第一党の議席を預かるのが次の目標だ」と決意表明した。

辛坊)日本維新の会は、先の統一地方選で地方議員と首長の数を改選前の約1.7倍となる計774人に増やし、目標としていた600人を大きくクリアしました。馬場伸幸代表は統一地方選に臨むにあたり、目標の600人を達成できなければ、責任をとって辞任する意向を示していました。ですから、続投は自然な流れです。

維新の馬場代表と同様の意向を最近、示した野党の代表がいます。立憲民主党の泉健太代表です。泉代表は、次期衆院選の獲得議席が150議席未満なら辞任すると明言しました。しかし、これは無謀だと思います。辞めるつもりであることを前提にした発言としか思えません。

維新の馬場代表は、次期衆院選で議席を獲得できそうな選挙区では取りこぼすことなく、確実に獲得していこうと考えるはずです。そうなると、きな臭くなるのが、公明党が議席を持つ大阪の4つの小選挙区(3、5、6、16の各区)と、兵庫の2つの小選挙区(2、8の両区)です。維新はこの6つの小選挙区に候補を擁立すれば、当選を狙えると考えているはずです。

維新は公明に配慮して、この6つの小選挙区に候補を擁立してきませんでした。なぜ、維新が公明に配慮するかというと、維新は「大阪都構想」を掲げてきましたが、地方議員の数が少ないため、公明の力を借りないと大阪都構想の実現は難しいと考えたためです。

この6つの小選挙区には、自民党も連立政権を組む公明に配慮し、候補を擁立してきませんでした。ですから極端な言い方になりますが、この6つの小選挙区の有権者は公明か共産党の候補に投票するしか、ほぼ選択肢がありませんでした。したがって、こうした選択肢に不満を抱いている有権者にとっては、維新が候補を擁立すれば、「第3の選択肢」が生まれるわけです。そうなると、維新がこの6つの小選挙区で議席を獲得する蓋然性はかなり高いと思います。

一方、維新の看板政策だった大阪都構想は頓挫した状態です。加えて、維新は統一地方選で大阪府・市議の議席数を過半数とし、大きく躍進しました。つまり、公明に配慮する必要性はなくなったわけで、公明が持つ大阪と兵庫の計6つの小選挙区に候補を擁立させてくることが想像できます。

そうした中、公明は「10増10減」で新たにできる小選挙区に、積極的に候補を擁立させようとしています。なぜなら、公明が持つ大阪と兵庫の計6つの小選挙区の議席を万が一、維新に奪われた際に、全体の議席数を減らさないためにも、新たにできる小選挙区を開拓する必要があるからです。このため、新たにできる小選挙区に擁立させる候補をめぐっては水面下で、連立政権を組む公明と自民の攻防が激しくなっています。

このように、次期衆院選は自民、公明、維新の3党によるガチンコ対決になるかもしれない状況の中で、立民の泉代表が獲得150議席未満なら辞任すると言っているのは、無謀としか思えません。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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