日本維新の会の台頭で公明党の「苦しい事情」 自民が東京28区「公明擁立」認めず

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数量政策学者の高橋洋一が5月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。自・公の次の衆院選の候補者調整について解説した。

日本維新の会の台頭で公明党の「苦しい事情」 自民が東京28区「公明擁立」認めず

統一地方選を終え、選挙結果について記者会見を開く公明党の山口那津男代表=2023年4月24日午後、東京都新宿区の党本部 写真提供:産経新聞社

自民党、次の衆院選「東京28区」で公明の候補擁立受け入れられず

次の衆議院選挙の候補者調整で自民・公明両党の幹事長が会談し、焦点の「東京28区」について自民党は、公明党の新たな候補擁立は受け入れられないという考えを伝えた。衆議院選挙の小選挙区の「10増10減」に伴い、選挙区の数が5つ増える東京への対応について、公明党は現職議員を現在とは別の選挙区で擁立すると公表したのに続き、新たに東京28区(練馬区東部)でも候補者を擁立したい意向を自民党に伝えている。

飯田)東京の小選挙区ですが、公明党は現在1議席を持っているけれど、それとは別にもう1議席ということです。そして、いま持っているところに関しても、候補者の差し替えを行うと。

高橋)公明党も、大阪の方で今度、維新に候補者を立てられたら、5~6人くらい落ちてしまうかも知れないですね。

飯田)いままでは「常勝関西」と言われていただけに。

高橋)これまでは維新が出ないから常勝だったわけです。でも、維新が大阪市議会で過半数を獲ってしまったから、もう公明党に配慮する必要がなくなって、選挙区に候補を立ててしまうかも知れない。

飯田)選挙後、「そこを白紙に」と馬場代表も言っています。

練馬区東部からなる東京28区でも候補者を擁立したい公明党

高橋)そうなると公明党はどこかで頑張らなくてはいけないので、練馬区東部の話になったのでしょう。練馬区東部の選挙区となると、菅原一秀さんが思い浮かびます。

飯田)菅原一秀さんは経産大臣も務めていました。

高橋)辞職されたけれど、あの方は区議もやっていました。確か私の記憶では生まれはここ(練馬区)ですし、小中学校もそうだったと思います。

飯田)いままで練馬区は東京9区だったのですが、9区が練馬区の笹目通りをほぼ境にして西側になり、東側には新たに東京28区がつくられます。

高橋)小池百合子さんもここに住んでいます。次の選挙で、ここは注目区になるかも知れません。

東京12区、15区が検討の対象となる見通し ~東京28区の代わりに

飯田)報道されているところでは、自民党としては受け入れられないと。別の選挙区で東京12区、あるいは東京15区辺りが検討の対象となる見通しだそうです。いまのところ、自民党の支部長はまだ「確定していない」と言われています。東京12区は北区の辺りですが、もともと公明党の代表を務められた太田さんの選挙区でもあります。江東区の方はずっと柿沢未途さんと秋元司さんがつばぜり合いをしていたところです。

高橋)秋元さんに事件があって。

飯田)スキャンダルがあり、その後は柿沢さんが自民党に「入る、入らない」という話もあって、まだ支部長が決まっていないのですね。

高橋)東京はなかなかダイナミックで面白いですね。

こういう話が出るということは解散風が吹いているからか

飯田)こういう話が出てくるのも、やはり解散風が吹いているからですか?

高橋)吹かなければ話しても仕方がないでしょう。

飯田)「いま決めなくてもいいだろう」となりますよね。

日本維新の会が伸びてきて苦しい立場の公明党

高橋)切羽詰まってくると、いろいろな情報が出てくるのではないでしょうか。

飯田)公明党側からすると、「一生懸命選挙を支援しているのに見返りが少ないではないか」という不満もあるやに聞きますね。

高橋)あるかも知れません。維新が伸びているのが大きいのではないでしょうか。公明党が関西で食われるのは間違いないので、何とかしなければならない。維新の方が野党第1党、もしくは公明党の上にいってしまう可能性もありますから。

飯田)存在感としてどうなのかと。

高橋)公明党は基礎票が伸びていないので、苦しいですよね。こういう話ができるから選挙は面白い。あるときからできなくなりますが、いまは公示しているわけでもないからいいのですよね。

飯田)本来は選挙への関心が高まる時期に、政策に関していろいろ論争ができるはずなのですが。

高橋)いつも選挙になると、政治家がいろいろなことを言うでしょう。それ自体はいいことなのですよ。何も言わずに官僚主導で進めていたら、つまらない政策しか出ません。ウィンドウショッピングのように、国民の信を問う形でいろいろな政策議論ができるきっかけになるから、選挙はいいと思います。

防衛費の財源法案についても本来であれば選挙で議論すべき

飯田)防衛費の財源法案に関する議論がありますが、本来であれば、税については選挙で議論して決めるべきものですよね。

高橋)本来はそうですが、なるべく避けて、姑息な手段を使いながら進めるでしょう。そういうやり方は選挙戦をやっているとわかってしまうのですよ。

飯田)「まだ決まっていない」と言いながら。

高橋)「決まっていないのは無責任だ」という言い方もできるので、わかってしまうのです。それはそれでいいと思います。その結果、「どれがいいか」を国民が選ぶのが本来の姿です。

自民党の3分の1が落選した東京都足立区議選の例 ~準備できていない人は政策論争で落選する

飯田)野党も含めて、それを積極的に争点化すれば、国民に見えやすくなる。

高橋)「わからない」というのがほとんどではないですか。よくわからないまま進めてしまう。LGBTの話などは選挙になれば言いやすいので、猛烈に言うと思いますよ。「LGBT反対ではないか」、「賛成ではないか」などと。

飯田)LGBTについて。

高橋)先日、足立区の区議選挙で自民党が次々に落ちてしまった。逆に維新などの候補者が議席を獲ったのだけれど、LGBTについて言われてしまったようです。

飯田)自民党が擁立した候補の約3分の1が落ちてしまい、第1党を公明党に譲ったというニュースがありました。

高橋)あれは象徴的ですね。1つの政策論争で準備できていない人は、街頭であたふたしてしまうわけです。そういう姿を露呈してしまうとダメですね。

選挙では論争が可視化されることが大事

飯田)いままでであれば、街頭に見に行った人だけが情報を共有できたけれども、いまはネットの動画を見て「あれ?」ということになる。

高橋)思わぬ展開になる場合もあるかも知れません。

飯田)法案としてLGBTの方々を尊重するのは当然かも知れませんが、別の……例えば女性などの権利が侵害されるようなことになると、「バランスが悪い」という指摘もネット上などで出てきていますね。

高橋)もちろんそれにも賛否があって、いろいろな考え方があるのですが、最も避けなければならないのは、何もわからないまま法案が通ってしまうことです。だから選挙では、「争点が可視化される」ことが重要です。

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