6Gへの移行によって進む「米中ネットワーク陣営」のデカップリング
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ジャーナリストの須田慎一郎が5月29日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。6Gへの移行を前に進む通信ネットワークの米中それぞれの陣営のデカップリングについて解説した。
「IPEF」の閣僚会合を開催 ~サプライチェーン(供給網)を強化する協定を結ぶことで合意
飯田)先日、「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の閣僚会合が開かれました。かねてから須田さんもご指摘になっていた半導体について、IPEFでも動き出したようですね。
通信ネットワークにおけるアメリカ陣営と中国陣営のデカップリングが進む
須田)今後、通信において6Gの時代を迎えるにあたり、デカップリング(切り離し)の流れになっていくと思います。言うまでもなく、アメリカ規格を中心とするグループと、中国の規格を中心とするグループに分かれて、相互互換性がないような状況になっていくのではないでしょうか。
飯田)デカップリングに。
須田)サプライチェーンでも、要するに中国がつくった半導体を使うことは、情報漏洩やハッキングを含め、さまざまなリスクが内在します。
飯田)中国がつくった半導体を使うと。
ハッキングなどを防ぐためにもネットワークを遮断する
須田)過去のハッキング事件や情報漏洩事件を調べると、中国のハッキンググループによるアメリカ企業や政府機関への攻撃が原点になっているのです。
飯田)中国のハッキンググループによる攻撃が。
須田)この辺りからアメリカがかなり警戒感を強めていた状況が見えてきます。日本では当時、ハッキングによるSONYの大規模情報漏洩が大きな話題になりましたが、これも仕掛けてきたのは中国サイドです。
飯田)オバマ政権のころから、既に首脳会談でも話題にのぼっていたというような報道もあります。10年くらい前ですよね。
須田)常にリスクに晒されているので、遮断しなければならない。ネットワークの遮断イコールデカップリングと考えてもらっていいと思います。
日本企業にも大きな影響
飯田)日本企業にも多岐にわたって影響を与えますよね。
須田)日本企業はコロナ前から対応を強めています。半導体戦略の中核に位置していたのは、NTTやNEC、富士通、SONYなどです。NECや富士通は、かつての電電御三家に属するところです。
飯田)通信インフラ、6G、端末の部分に使う半導体に関わる。そうすると、端末を担う会社と全体のインフラを一緒にしようという動きにつながるわけですか?
須田)それはアメリカ陣営のなかで全部調達していく形になると思います。
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