数量政策学者の高橋洋一が6月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。日韓関係の現状について解説した。
旧ホワイト国から韓国を外した理由は「戦略物資が第三国へ流されているから」ではなかったのか
政府は6月27日、輸出手続きを簡略化できる優遇措置の対象国となる「グループA(旧ホワイト国)」に韓国を再指定するための政令改正を閣議決定した。
飯田)輸出規制の話に関しては、「第三国に戦略物資などが渡っているのではないか」と危惧されていました。
高橋)一連の日韓問題が起きたときに出てきたのですが、ホワイト国から外したときは、その他の問題は関係なく、ただ単に「第三国に流れているから」という理由だったと思います。
飯田)そうですよね。いわゆる戦時中の募集工、徴用工の話で「韓国の最高裁が条約の趣旨に合わない不当な判決を出した」というところと絡めて報じられがちですが、それとは別ですよね。
高橋)そのように説明していたではないですか。
飯田)そうですね。
高橋)でも、西村経産大臣は「今後、仮に韓国から第三国への不適切な輸出が確認されるなどの問題が生じた場合には、韓国に対して適切な対応を求める」と言っています。「そういうことがないからやるのだろう」という話ですよね。「第三国への不適切な輸出がない」という体制を確認したから(グループAへ)戻すのでしょう?
飯田)そうでないとロジックとしては立たないですよね。
高橋)何か変だなと感じます。
日韓「通貨交換協定」再開協議を中断した理由が解決されないままに「再開へ」はいかがなものか ~レーダー照射事件もうやむやのまま
高橋)日韓「通貨交換(スワップ)協定」も、再開に合意する方向で調整に入ったようですが、あれは釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置されたことがきっかけで、協定再開の協議中止を決めたのですよね。慰安婦像は撤去されず、そのままほとんど既成事実化してしまっています。
飯田)釜山の日本総領事館の前に。
高橋)レーダー照射事件もうやむやのままだし、よくわからないですね。もう少しきちんと対応しなければ外交にならないと思います。
飯田)レーダー照射事件もそのままです。
高橋)理屈がきちんと通ればいいのですよ。今回のグループAの話でも、韓国の体制がきちんとしていて、「(第三国への不適切な輸出がなく)対応がなされています」と説明しているのであればわかります。
安全保障上の要請のためならば、ありのままを説明するべき ~筋を通さなければ外交でも舐められてしまう
飯田)今回、閣議決定して政令を改め、7月21日に施行される予定です。まだ時間はありますので、説明の機会はあります。
高橋)そういうときに記者が質問したらいいのですよ。「前はこういう説明だったけれど、なぜこういう決定になったのですか?」と。その質問に答えられなければいけません。
飯田)岸田政権は最近シャトル外交をしたり、G7サミットにオブザーバーとして招待してみたり、尹錫悦政権に代わってから韓国に近付いています。安全保障上の要請もあるのかも知れませんが。
高橋)それなら、例えばスワップ協定に関して「慰安婦像は撤去できていないけれど、安全保障上の要請があるから仕方なくやりました」と説明してくれればわかります。
飯田)きちんと説明せず、「日韓友好は素晴らしいではないか」ということばかりになると、あとあとに禍根を残すかも知れない。
高橋)何でもそうですが、筋は通すべきです。外交でも舐められてしまいますよ。
この記事の画像(全1枚)
番組情報
忙しい現代人の朝に最適な情報をお送りするニュース情報番組。多彩なコメンテーターと朝から熱いディスカッション!ニュースに対するあなたのご意見(リスナーズオピニオン)をお待ちしています。