キャスターの辛坊治郎が6月19日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。岸田文雄首相が今国会での解散を見送る一方、内閣支持率が下落している状況を巡り、「このままだと政治的に野垂れ死にする恐れもある」と解説した。
今国会は21日に会期末を迎えるが、「情勢をよく見極めたい」と解散に含みを持たせていた岸田文雄首相が15日、「今国会での解散は考えていない」と突然の幕引きを表明した。岸田首相は「先送りできない課題に答えを出していくのが岸田政権の使命だ」などと理由を説明した。
辛坊)もともと解散する気はなかったのでしょう。衆院議員の任期は4年ですから、半分の2年を過ぎるあたりから、「いつ解散があってもおかしくない」とよく言われます。しかし、この番組で以前にも申し上げましたが、前回の衆院選からまだ2年も経っていません。
岸田首相が解散を決断しなかった理由の1つには、自民党と連立政権を組む公明党との間で、次回の衆院選に関して東京の候補者調整を巡り、関係性が非常に良くない状態になっていることがあるのでしょう。
また、首相は自分の好きなときに解散できますが、当然ながら自分の権力維持のためにベストのタイミングで解散を仕掛けるわけです。岸田首相にとってのベストのタイミングは、来年秋の自民党総裁選が1つの目安になります。
日本は議院内閣制ですから、衆院の多数派である自民党の総裁であり続けないと、首相の座に居続けることはできません。そうなると、自民党総裁選を勝ち抜くためには、総裁選に影響するほどのタイミングで解散し、衆院選で一定の成果を収めることが必要になってきます。ですから、今のタイミングで解散するのは早すぎます。総裁選まで1年以上残っていますから、選挙で一定の成果を収めても、来年秋の総裁選の頃には、皆が成果を忘れています。
解散時期については、今年秋の臨時国会の冒頭という説もあります。ただ、最近になって、今年秋の解散も少し早いのではないかという声が聞こえるようになってきました。直近の世論調査では、内閣支持率も自民党支持率もダダ下がりです。このような状況では、自民党として選挙なんて戦えません。
岸田政権にとって最悪のシナリオは、支持率がこのままズルズルと下がり続けることです。来年秋の総裁選に向け、岸田首相は衆院選を少しでも先延ばしにしたほうがいいと考えるかもしれませんが、支持率が下がり続ければ、解散するタイミングを逸してしまいます。嫌な言い方ではありますが、このままだと政治的に野垂れ死にする恐れもあります。そういう人たちを私は過去にたくさん見てきています。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)