北朝鮮のICBM発射の狙いは 経済も苦しく「かまって欲しい」ということ

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が7月14日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北朝鮮のミサイル発射について解説した。

北朝鮮のICBM発射の狙いは 経済も苦しく「かまって欲しい」ということ

2023年4月13日に行われた新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星砲18」型の試射(朝鮮中央通信=朝鮮通信)=クレジット:朝鮮通信/共同通信イメージズ

北朝鮮のICBM発射、安保理が緊急公開会合 ~北朝鮮国連大使も出席

飯田)北朝鮮の弾道ミサイル発射について、国連安全保障理事会で緊急公開会合が開催されました。会合には北朝鮮の金星(キム・ソン)国連大使も出席したということです。

宮家)公開会合ですから、何かを交渉するというよりは、言い合いになりますよね。残念ですが、いままでも安保理が機能したことはありません。このICBMをどう見るかですけれど、「困りますか?」と言われれば、もちろん困ります。

飯田)困りますね。

宮家)固体燃料なので、「火星18型」はすぐに撃てます。すぐに撃てるということは、どこにいるかわからないということなので、そうすると抑止力が高まります。

飯田)北朝鮮からすると。

宮家)「では、すごいのか?」と言われたら、これをすごい進展だとおっしゃる人もいるのですけれど、そうかなあ。90年代からずっと開発してきて、「やっと固体燃料か」という見方もできないことはない。すごいけれど、「まだまだ」という状況ではないでしょうか。

計画通りの発射実験

宮家)米韓の訓練に合わせて記念日に撃つなどと言う人もいますが、花火を打ち上げるわけではありません。何十年も研究し、ある程度、試作品が撃てそうになったから撃つわけで、要するに「計画が進んでいる」というだけです。
飯田)計画通りの発射であると。

経済も苦しく、「かまって欲しい」北朝鮮

宮家)第2に、この前に(「火星18」を)撃ったのは4月でしたか。こういうものは、普通1回だけではないのです。通常、新しいものをつくるのであれば2つ~3つ準備しておき、1回目は必ずしも成功しないから、次は改良して同じようなものを試していくのです。ということは、4月に撃ったものから大きく進展があった感じはありません。

飯田)大きな進展があったわけではない。

宮家)北朝鮮は「かまって欲しい」のです。いま世界の関心はウクライナのことばかりではないですか。「北朝鮮も頑張っているんだぞ、核兵器を持っているのだぞ。すごいだろう」と。

飯田)「怖いだろう」と。

宮家)「怖くない」とは言わないけれど、「経済も苦しいし、中国も助けてくれそうもない」ということでしょうね。向こうも苦しんでいるのだと思います。

飯田)北朝鮮の金星国連大使が出席したのは、どういう意図なのでしょうか?

宮家)情報戦の一環だと思います。国連大使が出てきたくらいで政策が変わるとは思えません。

 

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