東京都医師会理事で「ささき眼科」院長の佐々木聡氏が7月14日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。コンタクトレンズの使用上の注意について語った。
使い捨てコンタクトレンズの場合、プールから上がって、洗眼後、新しいレンズに替える ~水中の「アカントアメーバ」が角膜に入り角膜感染症を起こすことも
飯田浩司アナウンサー)今回はコンタクトレンズについて伺います。私は眼鏡派なのですが、新行さんは?
新行市佳アナウンサー)私はコンタクトレンズを使っています。コンタクトレンズを使うときに注意すべきことは何でしょうか?
佐々木)夏場はプールに入る機会もあると思いますが、プールに入る際、コンタクトレンズで気を付けていただきたいことがあります。
飯田)プールに入るときに。
佐々木)水道水やプールの水、湖や川の水でも、水中には「アカントアメーバ」という微生物がいます。これがコンタクトレンズのなかに入ると大変です。コンタクトレンズのなかに入り、それが角膜に入ってしまうと、角膜感染症を起こします。場合によっては失明することもあります。
飯田)そこまでいってしまうのですね。
佐々木)真水はとても怖いのです。コンタクトレンズを装着してプールに入る方は多いと思います。できればコンタクトレンズはしない方がいいのですが、しないと見えない方もいるでしょう。ワンデーの使い捨てコンタクトレンズを付けてプールに入った場合は、プールから上がったらコンタクトレンズを外して目を洗い、新しいコンタクトレンズに入れ替えてください。
新行)プールから上がったら、付けていたコンタクトレンズは外して新しくする。
佐々木)速やかに外した方がいいですね。
飯田)ゴーグルを装着していてもダメですか?
佐々木)どうしてもゴーグルの脇から水が入ってきますので。
プールや川遊びなどのあとは、洗眼用の目薬で目を洗ってから新たなコンタクトレンズを付ける
新行)プールから出て目を洗うときは、流水で洗うのですか?
佐々木)昔はプールに洗眼器がありましたが、洗眼器の流水が逆に目を傷つけてしまうということで、なくなりました。いまは目を洗う目薬もありますので、それを垂らして洗うのがいちばん安全だと思います。
新行)プールや川遊びなどのあとはコンタクトレンズを外して、目を洗う目薬を使い、新しいコンタクトレンズを付ける。これで万全なわけですね。
夏場のドライアイ対策 ~「マスクドライアイ」にも注意
新行)この時期、冷房が効いていると目が乾燥するような感覚があるのですが、夏場はドライアイになりやすいですか?
佐々木)冬場は空気が乾燥するのでドライアイがはっきり出ますが、夏場も直接エアコンの風が当たると目が乾きます。コンタクトレンズを付けていたら余計にそうですよね。意識的にまばたきをしたり、目を潤わせる目薬がいろいろ出ていますので、目薬で目の表面を潤わせる対策が大事だと思います。
飯田)マスクをしていた時期に、マスクでドライアイになるという話を聞いたことがあるのですが、マスクをする場合の対策はあるでしょうか?
佐々木)眼鏡を掛けている方は経験があると思いますが、眼鏡が息で曇りますよね。
飯田)曇りますね。
佐々木)それはマスク上部から目に対して空気が漏れている証拠なのです。マスクから漏れ出た空気が目を乾燥させる現象が「マスクドライアイ」と言われるものです。対策としては、マスク上部をしっかり押さえ、目に当たらないようにすることです。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます