なぜ未だに臨調を行わなければならないのか 政治が動かなければ日本は「手遅れ」になる

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が7月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。7月22日に発足1年を記念した会合が開かれた「令和国民会議」について解説した。

なぜ未だに臨調を行わなければならないのか 政治が動かなければ日本は「手遅れ」になる

2023年7月22日、挨拶する岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202307/22rrinchou.html)

「令和臨調」発足1年記念大会 ~各党党首が出席

財界人や学者などが政策提言を行う「令和国民会議」(令和臨調)の発足1年を記念した会合が7月22日に行われ、岸田総理をはじめ各党党首が出席した。岸田総理は講演で「時代は大きく変化している。国会の運び方や在り方も変わらなければならない」と話した。

宮家)1981年の「土光臨調」とも言われる「第二臨調」が最も有名なので、今も「臨調」と言われるのですが、本当は「国民会」議ですよね。「なぜ臨調なのか?」と思いますが、やはり昔の成功体験が理由なのかも知れません。

飯田)三公社五現業の民営化などもありましたからね。

「第二臨調」から約40年経っているのになぜ、未だに臨調を行わなければならないのか ~この国の在り方を変えるのは国会

宮家)これまでも日本では何度か臨調の話が出て議論されてきましたが、結論から言えば、時々の関係者は素晴らしい錚々たるメンバーですし、それに対して批判するつもりはありません。しかし、なぜ今我々はあれから約40年経っても、いまだに「臨調」を行わなければいけないのか、不思議です。

飯田)約40年経ったのに。

宮家)最大の問題は自分たちが「変わっていない」ことです。これだけの有識者、ビジネスや学者の方々が参加しているのですが、彼らはおそらく憂国の士として考えているのだと思います。しかし、この国の在り方を考えるのは、学者ではなく、本来は国会なのです。

有識者が声を上げるのではなく、政治が動かなければならない

宮家)選挙を戦い、与党と野党が議論して、「日本はこのような方向に進まなければいけない」と議論した上で、「では法律をつくりましょう」となるのが筋です。しかしこの30年くらい、その部分がストンと抜けてしまっているではないですか。

飯田)ここ30年。

宮家)これでいいのでしょうか。非常に由々しい問題であり、有識者の方々がどれだけ声を上げても、結局は政治がきちんと動かなければいけませんよ。

実行することを本気で考えなければ日本は手遅れになる

宮家)令和臨調は「議論の糸口になればいい」とおっしゃる方もいます。それはその通りですが、問題についてはもう40年ほど議論しているのではないでしょうか。

飯田)そうですよね。

宮家)もはや議論すべき時ではなく、実行するべき時期ではないかと思います。実行するのであれば、政治と官僚組織と財界が動かなければいけません。いま官僚組織はもとに戻ってしまっています。財界も今回は経団連が主導しているわけでもありません。政治はいま申し上げたような状態なので、動く要素を見つけるのが難しいのです。令和臨調には本当に良い議論を行っていただきたいのですが、議論ではなく実行することを本気で考えないと、日本は手遅れになってしまいますよ。

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