経済アナリストのジョセフ・クラフトが8月7日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。西村経産相のアフリカ訪問について解説した。
西村経産相がアフリカ5ヵ国を訪問
飯田)夏に入り、国会が閉じていることもあって、閣僚の海外出張もさまざま行われています。西村経済産業大臣は8月6日から、ナミビア、アンゴラ、コンゴ民主共和国、ザンビア、マダガスカルのアフリカ5ヵ国を訪問します。いずれも鉱物資源が豊富な国だそうです。
クラフト)これは5月の先進7ヵ国首脳会議(G7広島サミット)による、グローバルサウスを取り込む一環の動きだと思います。西側諸国が連携し、アメリカは2022年12月にアメリカでアフリカ首脳サミットを開きました。2023年1月にはイエレン財務長官がセネガル、ザンビア、南アフリカを訪問。3月には、ハリス副大統領がザンビア、タンザニアを訪問しました。また、岸田総理も訪問しています。
飯田)ゴールデンウィークにエジプト、ガーナ、ケニア、モザンビークのアフリカ4ヵ国を歴訪しました。
グローバルサウスを取り込む西側の連携 ~そのリーダーシップを日本が取る
クラフト)林外相も南米を訪問するなど、連携してグローバルサウスを取り込もうと動いています。中国が半導体の材料となるガリウムやゲルマニウムを規制するなかで、グローバルサウス、特にアフリカの資源を取り込むと同時に、安全保障面でもアフリカを取り込むことは大事であり、G7全体として進めています。そのリーダーシップを日本が取るということです。総理、林外相に続き、今度は西村経産相が動いたのだと思います。
西側と組むことにもメリットがあることを示し、中立な立場のグローバルサウスを取り込んでいく
飯田)中国は中国で、各国にインフラ投資なども含めて行っていますよね。
クラフト)中国はここ10年、このような国々に投資してきています。それを軽視してきたG7がグローバルサウスを孤立させているという反省のもと、一連の動きがあるのです。「中国・ロシアを排除して西側に来い」と言っているわけではなく、同等に「西側にもメリットがある」ということを示し、中立なグローバルサウスを取り込んでいくという取り組みに変えた。そこがポイントだと思います。
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