ITジャーナリスト、三上洋氏が8月8日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、辛坊と対談。「X(旧ツイッター)のオーナー、イーロン・マスク氏はスーパーアプリ化を目指しているが、匿名アカウントのため日本では成功しない」と解説した。
アメリカの実業家、イーロン・マスク氏は7月24日、自らがオーナーであるツイッターの名称をXに変更し、アイコンも青い鳥から黒いXマークに変更した。今後、Xのサービスをどのように刷新していくのか―。
三上)名称変更は、オーナーのイーロン・マスク氏がスーパーアプリ化を目指しているからです。
辛坊)何ですか、それは。
三上)マスク氏は、単なる交流サイト(SNS)では満足していません。キャッシュレス決済ができる、タクシーが呼べる、レストランの予約ができるといった、さまざまな機能を1つにまとめるというのが、スーパーアプリです。それをすることで、Xとしての収入だけではなく、サービス手数料などお金が次々に入ってくる仕組みをつくろうとしているわけです。
辛坊)どうやっても、マスク氏が儲かるようにできているんですね。
三上)というか、Xは毎日、数億円の赤字を出しています。ですから、会社を建て直すためには、すぐにでも着手しなければなりません。Xは変数も意味しますから、「何でもできる」という思いを込めて名称変更したのでしょう。
辛坊)なるほど。
三上)ただ、日本ではうまくいかないと思います。日本人は匿名で投稿できるアプリとして使っています。また、1人で多くのアカウントを持っています。私が大学生に聞いたところ、1人当たり平均で3.5個持っていました。
辛坊)匿名だから、悪口がはびこるんですね。
三上)そうです。ただ、匿名だからこそ言えるという側面もあります。とはいえ、「匿名のアカウントにクレジットカードを登録するか」と問われれば、信用できないので登録しにくいですよね。ですから、マスク氏がやろうとしていることは、日本では成功しそうにないと思います。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)