経済アナリストのジョセフ・クラフトが9月5日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。沖縄県の敗訴が確定した辺野古の新基地建設工事をめぐる裁判について解説した。
辺野古工事をめぐる裁判、沖縄県の敗訴確定 ~「沖縄の負担を軽減させ、経済的にどれだけ支えられるか」という議論をした方が建設的
沖縄のアメリカ軍・普天間基地の移設先である名護市辺野古の工事の設計変更をめぐり、沖縄県と国が争っている裁判で、最高裁は9月4日、沖縄県側の上告を退ける判決を言い渡した。辺野古をめぐっては埋め立て予定の海域で軟弱地盤が見つかり、国が改良工事の設計変更を申請したが、沖縄県側はこれを承認していなかった。
飯田)沖縄県が承認しないため、承認する指示を国が出した。その指示が違法かどうかを問われた裁判でした。今回の最高裁判決について、どうご覧になりますか?
クラフト)手続きに関わる裁判でしたので、予想通りの展開になったのではないかと思います。この問題は長い間続いていますが、正直に言うと、落としどころは辺野古しかないのです。
飯田)落としどころは。
クラフト)このような法的措置から、いかに沖縄県の皆さんが抱えている負担を軽減するか、あるいは経済的にどれだけ支えていけるかというところへ、議論を持っていった方が建設的ではないかと思います。
辺野古への基地移設は日本全体、アジアをめぐる安全保障にも関わる問題
飯田)発端は普天間飛行場に関する議論でした。住宅がたくさん建っており、学校もある土地に飛行場が存在する危険度を何とかしなければならない。それについてはコンセンサスがありました。基地をキャンプ・シュワブに移すにあたって、もちろん「県外に」という話もあったのですが、その辺りは軍事的な抑止力など、周りの環境もあるわけです。
クラフト)沖縄に負担が集中する問題がある一方で、いまは台湾をめぐり、中国との緊張感が増しています。どこかでこの問題を進めていかないと、日本全体の安全保障にも関わることになります。
飯田)そうですね。
クラフト)非常に心苦しく難しい問題ですが、どこかの時点で前に進める必要があります。沖縄の皆さんにとっても日本全体にとっても、アジアをめぐる安全保障にとっても、いいことではありません。何か打開策があればいいなと思います。
飯田)地元で取材しても、賛成の人はいませんが、「仕方がないかな」と容認するような方もなかにはいらっしゃいます。
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