韓国の新たな世代によって変わりつつある日韓関係
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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が9月18日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。木原稔防衛大臣について解説した。
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2023年9月10日、日韓首脳会談~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202309/10g20.html)
木原稔防衛大臣、安全保障の対応は日米韓の協力が「基軸」と発言
木原稔防衛大臣は9月17日に出演したNHKの番組で、中国や北朝鮮などへの安全保障面での対応について、日米韓の協力が「基軸」だと話した。また、日本自身の防衛力強化や日米同盟の対処力向上を進めつつ「同志国との関係を緊密にする」と述べた。
飯田)木原稔さんは先日の内閣改造で、防衛大臣に就任しました。もともと政策通だと言われています。
宮家)防衛問題の専門家が何人か国会にいますが、その1人だと思います。総理補佐官も務めていましたし、その意味では適材でしょう。安保3文書を2022年につくりましたが、そのときも努力された方の1人だと思っています。おっしゃっていること自体はいままでの基本的なラインを踏襲していて、安心して見ていられます。
尹政権になり、関係が改善されている日韓
飯田)日米韓の協力が基軸だということです。これまでは日韓がギクシャクしていることが多かったのですが、政権が代わってから……。
宮家)韓国の尹大統領による勇気ある決断ですよね。いまのところ支持率が急激に上がることなどはありませんが、急激に下がっているわけでもありません。非常によく対応していると思います。
「親北」ではダメだという現実的な民意の表れも ~386世代の次の人々によって徐々に変わっていく韓国の政治
宮家)それには2つ理由があります。1つ目は中国と北朝鮮の動きを見たときに、「前政権のようなことをやっていられるのか」という客観的な問題があります。2つ目に、韓国の国民自身も前政権のやり方はダメだと考えているのではないでしょうか。現実的な民意が前面に出ているのであればいいなと思います。
飯田)韓国世論も世代によって受け止め方が違うという話ですよね。
宮家)韓国の進歩的な人たちを「386世代」と呼びますが、日本で言うと全共闘世代です。韓国が軍事政権の時代に民主化運動があり、光州事件があって弾圧され、そのなかで頑張ってきた人たちです。
飯田)386世代の人たちは。
宮家)日本の全共闘世代はそろそろ引退し始めていますが、彼ら386世代は50代で、まだ20年間は時間があります。しかし、世代交代もある。若い人たち、つまり386世代の次の人たちはもっと現実的だと思うので、おそらく韓国国内の政治も徐々に変わっていくでしょう。
飯田)日本も含めて、そこに「どうアプローチしていくか」というところですか?
宮家)そうですね。徐々に関係も改善されると思います。ただ、それには時間が掛かるでしょう。
自衛隊と韓国軍の交流も時間を掛けて改善へ
飯田)本来的には、自衛隊と韓国軍の交流も行わなければいけないですからね。
宮家)これも時間を掛けて、徐々に進めた方がいいと思います。
飯田)レーダー照射をされるなど、刺さった棘は大きい。
宮家)決して小さくはないですね。