初入閣の「非待機組」 加藤鮎子氏のみで新鮮味がない 高橋洋一が内閣改造に言及

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数量政策学者の高橋洋一が9月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。すべての顔ぶれが固まった第2次岸田再改造内閣について解説した。

初入閣の「非待機組」 加藤鮎子氏のみで新鮮味がない 高橋洋一が内閣改造に言及

こども政策担当相に内定し、議員会館で記者の取材に応じる加藤鮎子衆院議員=2023年9月13日午前、東京都千代田区の衆院第1議員会館 写真提供:産経新聞社

岸田総理、9月13日に内閣改造へ ~初入閣11人、女性の入閣は過去最多タイ5人

9月13日に行われた内閣改造で、岸田総理大臣はすべての閣僚の顔ぶれを固めた。松野官房長官や鈴木財務大臣らを留任させ、政権の骨格を維持する一方、外務大臣に上川陽子元法務大臣を起用するなど、これまでで最も多い女性5人が入閣する。初入閣は11人。

飯田)他に留任したのは西村経済産業大臣、河野デジタル担当大臣、高市経済安保担当大臣、公明党の斉藤国交大臣です。女性は高市・上川両氏以外に、こども政策担当大臣の加藤鮎子氏、復興大臣の土屋品子氏、地方創生担当大臣の自見英子氏が起用されました。

初入閣で入閣待機組でないのは加藤鮎子氏だけ ~目玉となるのはこの1人のみ

高橋)こういうものを見る際は、留任が何人か、初入閣が何人か、再任が何人かを見るのですが、初入閣が多いのは「入閣待機組」です。入閣待機組というのは衆議院が当選5回以上、参議院が3回以上というのがポイントとなります。

飯田)当選回数。

高橋)そういう人がたくさんいるので、そこから選ばなければいけないわけです。今回の初入閣の人たちを見ると、ほとんどが入閣待機組ですよね。

飯田)そうなりますね。

高橋)1人だけ違う人がいて、初入閣で入閣待機組ではない人を入れると、その人が目玉だと言われるのですが、それが加藤鮎子さんです。衆議院の3期目で初入閣。目玉はこの1人で、他はみんな入閣待機組ですからね。そういう意味で、順繰りになっていると思います。

飯田)他は入閣待機組であると。

高橋)女性5人の起用と合わせて、加藤鮎子さんをこども政策担当に入れたのが目玉ではないでしょうか。

経済再生担当の新藤義孝氏の起用はLGBTで頑張ったから ~今回の特色は「LGBTと女性」だが新味は感じられない

高橋)今回、再任組は2人いて、1人は上川陽子さん。外務大臣の重要ポストですが、林さんから代えました。

飯田)林芳正さんから代えましたね。

高橋)同じ岸田派であることと、女性を増やしたいからこういう形になったのだと思います。もう1人は経済再生担当の新藤義孝さん。これは「えっ」という感じがします。

飯田)総務大臣だった方ですね。

高橋)どうしてこの方なのかと言うと、この人はLGBTで頑張った人なのです。

飯田)政調会長の代理でしたか。

高橋)自民党の法案を出す際、筆頭の提案者だった。要するに「LGBT関連で誰を処遇するか」ということで、新藤さんになったのではないでしょうか。今回の顔ぶれを見ると、「LGBTと女性」になります。正直に言うと、あまり新味がありません。

積極財政派の城内実氏や平将明氏を起用すれば、待機組からの入閣でもサプライズになる ~その起用はなかった

高橋)待機組を入れなければいけないのですが、それでも新味を出そうと思えば出せるのです。当選回数が多い人でも、いままでやっておらず、少し珍しい人を入れるのです。

飯田)これまで入閣していない人で。

高橋)例えば当選5回ではなく6回になると、すごく少なくなってしまう。そういう人を入れるという手があります。例えば森山派の城内実さん。

飯田)城内さん。

高橋)そういう方を入れると、積極財政だから「違うのか!?」とみんな驚くわけです。そんなサプライズがあるのかなと思っていましたが、まったくなかったですね。他には、平さんも6回です。

飯田)平将明さん。

高橋)「こういう人を入れるのか?」という感じになります。そうやって待機組を入れつつ、サプライズ感を出すこともできるのだけれど、今回はなかったですね。

飯田)平さんは内閣改造の度に名前の挙がる人でもあるし、政策通でもある。

高橋)6期ですからね。6回は入れてもいいでしょう。

飯田)しかもいまの政権からすると、菅さんに近い人なので、「ずいぶん遠くから選んだのだな」と思うかも知れませんね。

官房副長官を木原氏から財務省出身の村井氏に交代 ~財務省の影響が見えてしまう

高橋)官房副長官を木原さんから村井さんに交代しましたよね。

飯田)村井英樹さん。

高橋)村井さんは財務省出身で、「コテコテ」の緊縮派です。片方ではなく両方あるとバランスが取れるのですよね。「女性を多く」と言っているけれど、実は財務省の色眼鏡が掛かっているのが見えてしまうのです。「違うものがある」として2つ揃える意味でも、城内さんなどが入れば面白かったと思うけれど、やらなかったですね。

飯田)メールやX(旧ツイッター)でも、さまざまな意見をいただいています。上川さんに注目している方がかなりいるようです。「林さんから上川さんに代わったのがショックです。外務大臣は代えない方がよかったのではないか」という意見を、東京都日野市の“ともこ”さんからいただきました。一方、葛飾区在住の“ダーちゃん”さん、会社員(59歳)の方からは、「個人的には外務大臣の上川さんに期待します」といただきました。上川さんは川口順子さん以来、約20年ぶりの女性の外務大臣となります。

防衛大臣としては面白い起用となる木原稔氏 ~派閥均衡のなかでも工夫した人事

高橋)外務大臣は目立つポストだから目が行ってしまうけれど、よく見ると外務・防衛が一緒に代わっています。

飯田)そうですよね。

高橋)防衛大臣が木原稔さん。この方は初入閣ですが、茂木派の5期目です。

飯田)当選5回。

高橋)茂木派の待機組でいちばん上の人です。初入閣だとあまり目立たない場合もありますが、正論を言う人ですし、木原さんは防衛大臣として面白いと思います。

飯田)木原稔さんは54歳。菅内閣では総理補佐官を務めていました。

高橋)茂木派から推薦があったのだと思いますが、派閥均衡のなかでも、少し工夫した人事かなと思います。

飯田)確かに、外務・防衛の両方が変わるとなると、今後の外交安全保障がどうなるのかと思いますけれど、木原さんはそういう意味では面白い人事なのですね。実力派という感じでしょうか?

高橋)実力派でしょうね。こういうとき、待機組でどういう人を使うかが大事です。例えば菅内閣では岸さんを使いました。

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