数量政策学者の高橋洋一とジャーナリストの須田慎一郎が8月29日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。北方領土の元島民らによる洋上慰霊について解説した。
北方領土の「洋上慰霊」始まる
北方領土の元島民らが船の上で先祖を供養する「洋上慰霊」が8月28日から始まった。ロシアによるウクライナ侵略の影響で、北方領土への墓参りをはじめとする四島交流等事業は実施の見通しが立たない状況が続いている。先祖の霊を慰めたいという元島民らの思いを受け、千島歯舞諸島居住者連盟、北方領土問題対策協会、北海道が共同で開催した。
プーチン体制が続くなか、北方領土をどう捉えていくか
飯田)1945年(昭和20年)8月28日に旧ソ連軍が北方四島に侵攻を開始し、昨日(8月28日)で78年が経ちました。かつてはビザなし交流なども行われていましたが、2020年・2021年度はコロナ禍で中止になりました。また、2022年度にはウクライナ侵略があった関係で行われなかった。北方領土の話は、ウクライナの方々も見ているようですね。
須田)加えて今回、貝殻島に放置された灯台があるのですが、壁が白いペンキで塗られ、灯台に明かりが点いたと言われています。要するに「もう自分たちは返すつもりはないぞ」という……。
飯田)ロシア側が。
須田)強烈なメッセージを送ってきている状況を考えると、今後、プーチン体制が続くなかで北方領土問題をどう捉えていくのかは大事だと思います。
北方領土に関するアプローチは年中、ロシアに対して行うべき
飯田)高橋さんはいかがですか?
高橋)いろいろなアプローチは年中した方がいいです。場合によってはソ連崩壊のときのように、無政府状態になることがあります。
ソ連崩壊のときのように「無政府状態」になったら行ってしまう ~プーチン体制は盤石ではないかも知れない
高橋)無政府状態になってもアプローチを続け、そのまま行ってしまえばいいのです。「無政府状態だから行かない」というのはダメです。洋上だけではなく、「見回りをする」と言うのです。相手が無政府状態であれば、反応が戻ってこないではないですか。反応がなければ行ってしまう。行ってしまえば、実はそれで勝ちなのです。
飯田)反応がなければ行ってしまう。
高橋)こういうときこそ年中、よりアプローチした方がいいわけです。いまのプーチン体制は盤石ではないかも知れません。
飯田)ワグネルの乱などもあり。
高橋)絶対に盤石であれば「やる必要がない」と言えますが、ロシア国内の状況がよくわからないなら、続けるべきです。ソ連崩壊のときもあっという間でした。こういうときこそ、年中アプローチするのです。
無政府状態になったら上陸して既成事実をつくる
高橋)アプローチして、行く口実をつくるのです。そして無政府になったらすぐ行く。それは国際的にも当然の流れです。
飯田)話し合いだけではなく、そういうテクニックも必要だと。
高橋)日本政府の場合、「無政府になって話す人がいない」などと言って止めてしまうのです。現にソ連崩壊のときもそうでしたが、それではダメです。話し合う相手がいなければ、行くのです。
飯田)上陸して既成事実をつくるのが大事。
高橋)それが普通です。行くにあたっては、きちんと(人員などを)守らなければいけませんが。
行くかどうかは岸田総理の決断に掛かる ~覚悟の問題
須田)その意味では、政治判断による決断が必要です。岸田さんに掛かっているのではないかと思います。「こういう意見をどう受け止めるのか」という。
飯田)いつ起こってもいいように、どう準備するか。
須田)覚悟の問題です。
飯田)確かに、最後の意思決定は内閣総理大臣にある。
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