ジャーナリストの佐々木俊尚が9月6日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。7月の輸出額が減少した中国向けの水産物について解説した。
中国政府の「味方」をする日本の「リベラル」
飯田)7月の中国向け水産物の輸出額が減少しました。福島第一原発の処理水の海洋放出をめぐってということですが。
佐々木)「だから処理水放出なんかダメだ」と騒いでいる人が左派を中心にたくさんいます。中国政府に言われたから処理水の放出をやめるなど、「中国政府に屈してどうするのだ」と思うのですが。少しおかしいですよね。もともと「リベラル」と名乗っていた人たちが、気がついたら処理水放出で中国の味方、独裁国家を味方しているという謎の構図になってしまっている。これは何なのだろうという。
中国・香港への輸出額約800億円が前年同月比23.2%減 ~ただ、日本の水産物の市場規模は約1兆5000億円
佐々木)中国への輸出が800億円ぐらいだったのが、前年同月比で23.2%減だった。確かに800億円は問題なのだけれど、そもそも日本の水産物の市場規模は大きく、約1兆5000億円あるのです。
飯田)1兆5000億円。
佐々木)そのうち、中国・香港合わせて800億円ぐらいあり、輸出額の4割ぐらいを占めているので間違いなく大きい。
水産物のほとんどは国内で消費している ~総輸出額は約3000億円
佐々木)ただ、輸出額全体は3000億円くらいしかありません。1兆5000億円のうちの3000億円、さらにそのなかの800億円ですから、パーセンテージとしてはすごく少ない。要するに日本はほとんど国内消費しているのです。
これまで中国の業者に買い負けていた分、国内で買えばいい
佐々木)なおかつ、マグロが典型的なのだけれど、中国が経済大国になって日本が縮小しているものだから、マグロを買おうと思っても中国の業者に買い負けてしまっていました。
飯田)ホタテなどもそうですよね。
佐々木)日本人がマグロやホタテを買えない状態になったのです。でも、買い負けていたのだから日本人が買えばいい。そうすれば、800億円ぐらいは十分カバーできるのではないかと思います。
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