津田塾大学教授で哲学者の萱野稔人氏が9月20日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。教え子の学生から、お金儲けの良し悪しについて質問された際の回答について、「相手の何かを解決してあげるからこそ、もらえるもの。だから、良いことだ」と披露した。
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※イメージ
「相手の何かを解決してあげるからこそ、もらえる。だから、“お金儲け”は良いこと」
萱野)哲学の講義をしていると、教え子の学生から「お金儲けは良いことですか? 悪いことですか?」とよく質問されるんです。私は基本的に「お金儲けは良いことだ」と答えています。悪いことをしてお金を稼ぐのは、もちろん良くないことです。お金を稼ぐ以前に悪いことをしているわけですからね。
お金を稼ぐことが良いことである理由を説明します。まずは、私たちがお金を払う場面を考えてみてください。お金を払うときは、お金を払ってでもいいから、何かを手に入れたいときですよね。例えば、髪の毛を切りたいときには美容院や理容院にお金を払います。また、食事をしたいときは料理店にお金を払います。
要するに、自分が今持っている欲求やニーズ、課題を解決したいからこそ、お金を払うわけです。反対の立場からいえば、相手の何かを解決してあげるからこそ、お金をもらえるわけです。ですから、お金儲けは悪いことではありません。
私もお金(儲け)は好きですし、逆に散財してしまうことがあります。そういう点では、哲学を研究していようが、論文で多少かっこいいことを書こうが、皆さんと何も変わりません。