アフリカを味方に付けることの「大きな意味」 ODA調査で訪れた青山繁晴議員が現状を解説

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作家で自由民主党・参議院議員の青山繁晴が9月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ODAに関する調査のために訪れたザンビア、南アフリカの現状について解説した。

アフリカを味方に付けることの「大きな意味」 ODA調査で訪れた青山繁晴議員が現状を解説

※画像はイメージです(ケープタウン ケープポイントに掲げられた世界の国旗)

アフリカ、ザンビア・南アフリカ共和国の現状

飯田)青山さんは日本の政府開発援助(ODA)に関する調査のため、9月2日~10日までの9日間の日程で、ザンビア・南アフリカを参議院による調査の形で訪問されたということですが。

青山)「外国を援助するくらいなら、苦しい国民生活を支援してくれ」と、実はODAに反感を持っている方は多いと思います。

小泉政権から減らしたODA ~中国への支援がほとんど国民に知らされず、多くが軍事費に使われていた

青山)まさしくその通りだと思うのと同時に、少し皆さんと意見が違うかも知れないのですが、ODAは小泉政権から減らしていきました。

飯田)小泉政権から。

青山)はっきり言うと、ポピュリズムです。「国民生活が楽にならないのは事実なので、海外への支援は減らしていく」という考え方です。本当は中国を援助してきたけれど、中国はそれを国民にほとんど知らせることなく、しかも軍事費にたくさん使ってきた背景がありました。

衆議院にはODAを調べる委員会がない

青山)アフリカでは子どもを産むときに泥水しかなく、我々と同じ人間、同じ女性が同じ命を産むときに、産湯も使えないという現状があります。

飯田)産湯も使えない。

青山)それを支援していくことと、中国への援助の問題とは全然違う話なのです。ところが、衆議院にはODAを調べる委員会がありません。

飯田)そうなのですね。

青山)ODAは政府主導で行われています。司法権は裁判が起きない限り調べないですよね。だから当然、立法府が調べるべきなのに、衆議院にその委員会がないというのは、それを象徴しています。

遠いアフリカへは調査に行く議員がいない

青山)参議院にはそれがあり、現地の途上国に行って調べないといけません。新型コロナ感染症のために4年間行けなかったのですが、ようやく再開できました。

飯田)コロナ禍が明けて。

青山)いちばん遥か彼方が、南アフリカをはじめとするサブサハラ地域です。サブというのは「副」という意味ではなく、「下」という意味です。サハラ砂漠以南のディープなアフリカ、そのなかでも最も深いのが南部の南アフリカであり、その上のザンビアです。ザンビアは、もともとはローデシアと呼ばれていました。

飯田)ローデシア。

青山)いずれも英国の植民地なので、英語が通じるという利点があります。しかし、そこに行く議員がいないのです。他の地域にはたくさん手が挙がるのに、ODAの特別委員会では私以外に手を挙げる人がいませんでした。

飯田)アフリカには。

青山)党名は言いませんが、ある野党などは割り当てられたにも関わらず、真っ先に「アフリカなんてとんでもない」と言って行きませんでした。アフリカへ行くためにはマラリア予防など、かなり痛い予防注射を5回打たないといけません。

飯田)5回ですか。

青山)また今回の日程は9日間でしたが、行くだけで乗り継ぎを含め、飛行機に丸2日乗っていないといけません。往復4日となります。中日は5日です。

飯田)往復4日間も。

2人の議員と参議院のスタッフでアフリカへ

青山)ザンビア・南アフリカと言っても、アフリカ大陸はとても広いので、国内移動だけで日本の常識では考えられないような機体を使って移動します。そのような厳しい日程で行くので、自由民主党のなかでも私しか手を挙げず、キャンセルになるところだったのです。

飯田)1人だけだと行こうにも行けない。

青山)水面下でいろいろと努力し、外の違う委員会で手を挙げてくれた議員がいました。その人と2人で、あとは参議院のスタッフと行きました。

貧富の差が激しく、病院に入れても胎児の状態を確認する機器がない

青山)まず知っていただきたいのは、例えばスラム街で育ってきた女性が人間として、みんなと同じように結婚して子どもを産むときに、とてもまともに産めないのです。

飯田)子どもを産もうにも。

青山)南アフリカではアパルトヘイト政策は既に終わりましたが、実際は貧富の差が激しく、何とか受け入れてくれる病院が見つかっても、胎児がどうなっているかを見る機械がないのです。

飯田)お腹のなかの状態を確かめることができない。

青山)日本はどうしているかと言うと、「草の根無償援助」というものがあります。「草の根」という言葉は死語になりつつありますが、本当は社会全体を支える庶民のことを草の根と言います。

飯田)本来は。

青山)借金させるのではなく、庶民に対して無償で支援する。つまり中国のように「援助」と言いながら、莫大な借金を背負わせてその国を縛り上げるようなやり方ではなく、庶民に対しては無償で差し上げるという援助です。

アフリカを味方に付けることの「大きな意味」 ODA調査で訪れた青山繁晴議員が現状を解説

中国の習近平国家主席(南アフリカのヨハネスブルク)=2023年8月24日 EPA=時事 写真提供:時事通信

病院やスラムを回り、必要な機器を選んで病院に導入する日本人の若い女性外交官 ~国連ではアフリカの国々の1票が大きな力になる

青山)病院やスラムを回り、足で稼いで何が必要なのかを見ていかないといけません。日本は20代~30代前半の若い女性外交官が自分でしっかりと回り、機器を選んで病院に導入していました。

飯田)若い日本人の外交官が。

青山)その現場へ、本当に久方ぶりに日本の国会議員として入りました。たまたま私は英語が話せるので、直接患者さんや医師、検査技師の方などと話したのですが、日本は見かけ上の額は中国に比べると2桁、あるいはそれ以上に違います。しかし、医療機器1つひとつにシールが貼ってあり、そこに日の丸が付いていて、「From Japan」だけでなく「From people of Japan」と書いてあるのです。「日本の国民からいただきました」と貼ってくれている。

飯田)日本の国民から。

青山)それを援助したあと、もう1度回っているのです。女性外交官が本当に知られざるところでコツコツとやっています。ザンビアをはじめ、アフリカの国々は国連で1票を持っています。日本が敗戦国として閉じ込められてきたものから脱するとき、その1票が大きな力になるのです。

雇用が増えているわけではなく、現地の人を採用しても中国の人が顎で使う ~中国に対して強い反感があるけれど、ANCの支配体制にあるので文句が言えない現地の人

青山)また、南アフリカは親中・親露で有名です。アパルトヘイトと戦ったネルソン・マンデラさんが苦しんでいたころ、日本人は「名誉白人」という立場を受け入れ、バスで黒人の方々がギュウギュウ詰めでいるなか、ゆったりと空いている側に座っていました。私は民間の専門家だったころから感じていましたが、「おそらくマンデラさんは日本がお好きでなかった」と思うのです。

飯田)日本が好きではなかった。

青山)もともとマンデラさんの政党は社会主義、共産主義に親近感がありますし、いまもロシアや中国に近い。中国はそこを利用して大きい金額を入れているのですが、実際に南アの現場を歩いてみると、美味しいところはすべて中国に持っていかれています。

飯田)美味しいところは。

青山)しかも現地の雇用が増えているわけではなく、現地の人を採用しても、中国の人が顎で使うようなところもあります。中国に対して強い反感があるけれど、南アフリカはアフリカ民族会議(ANC)というマンデラさんが創設した政党の支配体制にあるので、文句が言えないのです。

「いま中国経済は破綻に向かっている。このまま親中で進んだらあなた方も破綻しますよ」と政府高官に伝える

青山)私は覚悟を決めて行ったので、日本の外交官が立場上言えないことを、向こうの政府高官に直接お伝えしました。「いま中国経済は破綻に向かっている。このことは伝わっていないでしょう。このまま親中で進んだらあなた方も破綻しますよ」と言いました。

飯田)政府高官の方に。

青山)向こうは顔色が変わって、すごい目で私を睨んだのですが、ふっと下を向いて何もおっしゃらなくなった。周りにいる南アフリカの黒人の方々の表情が一変しました。私の感覚で言うと、解き放たれたような感じでした。

飯田)「やはりそうだったのか」という感じですか?

青山)「本当はどうなっているのか、やっと聞けた」というような感じでした。それから建物の外に出ると、日本の外交官が狂喜乱舞して、「やっと日本の国会議員がはっきりと言ってくれた」と。「中国に対して見るべきところはきちんと見なければいけない。日本の支援はあなた方のためにやっているのです、ということを言ってくれた」と大喜びされていました。

世界の需要が今後、南米とアフリカ大陸に向かうということからも、また、国連を改革するためにもアフリカを味方に付けることは大事

青山)ザンビアには、英国の有名な探検家リヴィングストンの名を冠した町に博物館があるのですが、動物の剥製などが保管されている部屋にクーラーがないのです。

飯田)剥製が保管されているにも関わらず。

青山)土産物店だけにクーラーがあります。そのクーラーを充実させるような、まさに「痒いところに手が届くような援助をしましょう」という話をして、最後は博物館の前で記念撮影をしたのです。すると、ほとんどの黒人スタッフの方々が出てきてくださり、一緒に撮影しました。撮影が終わると私は後ろを振り向き、「Just for Zambia(ザンビアのために)!」と叫びました。みんな「ワー、ワー」と盛り上がってくれました。

飯田)ザンビアのために。

青山)あれでおそらく若い方々も一生、日本を覚えてくれますし、現地で支えている外交官や、国際協力機構(JICA)など独立行政法人の組織、そのなかの海外協力隊の方々の活動も活きてくると思います。

飯田)海外協力隊の方々の活動も。

青山)アフリカを味方に付けることは大きな意味があります。中国経済がダメになっていることも含め、やがて世界の需要は南米とアフリカ大陸に向かいます。あるいは国連を改革するためにも、アフリカが日本を信じてくださることはとても大事なので、本当に意味のある公務出張だったと思います。よくぞ参議院も計画してくれました。

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