元内閣官房副長官で慶應義塾大学教授の松井孝治が10月13日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。ビッグモーターによる保険金の水増し請求問題について解説した。
国土交通省がビッグモーターを行政処分へ
国土交通省は10月13日、中古車販売大手「ビッグモーター」の整備工場34ヵ所について、立ち入り検査で不正が確認されたため、処分する方針だと公表した。そのうち12工場は民間車検場の「指定」が取り消される方針。
飯田)ビッグモーターの保険金の水増し請求問題ですが、折り返し地点を迎えることになるのでしょうか?
ビッグモーターだけでなく、損害保険会社も含めての問題
松井)ビッグモーターだけでなく、損害保険業界も結託しています。それぞれのドライバーに高い値段の保険料が掛けられていて、架空の事故処理などで儲ける。当該の損保ジャパンだけの問題ではなく、大なり小なりこういうことが起こりやすい構造があるのです。
飯田)業界ぐるみの。
松井)消費者の見えないところで保険処理が行われ、トータルとしての保険料収入で賄われている。保険は自賠責まで含めて、国の制度が根幹にあり、その上に個人保険が乗っているのです。その構図のなかで、美味しいところを組織的に吸うような行為が行われていた。
被害を受けるのは保険加入者 ~構造的な問題について金融庁にしっかりと見て欲しい
飯田)負担の水増し分は、ある意味、薄く広くみんなへの負担になります。
松井)だからわからない。彼らから見ればWin-Winのモデルですが、誰がルーズしているかと言うと、消費者である保険加入者なのです。こういう巧みな構造について、国交省もですが、金融庁はしっかり見て欲しいと思います。以前から「損保業界には構造的な問題がある」と言われていました。
飯田)金融庁も情報の報告徴求などをしていますが、損害保険全体の話になってくると、この先は電気自動車(EV)もどうするのか。
松井)かつて有名な経済学者の宇沢先生が、「自動車は便利だけれど、排ガスや事故の問題など負の側面もある。それを社会がどうシステムとしてバックアップするか」と言っていました。そこを掠め取るような事案なので、やはり厳しく対処して欲しいです。
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