動物専門家でアジア動物医療研究センター長のパンク町田氏が10月24日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。今年、クマによる人身被害が過去最悪のペースになっていることについて、「環境保全が進んだ結果、野生動物が増えたことが原因だ」と解説した。
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住宅街に現れたツキノワグマ=2010年9月、金沢市大桑町 写真提供:共同通信社
冬眠時期が近づき、餌を求めてクマの動きが活発になる中、山間部だけでなく市街地にも出没し、人身被害につながるケースが相次いでいる。今年は、環境省が統計を取り始めて以降、17道府県で最多の160人と過去最悪の被害となっている。
町田)そもそもクマの数自体が増えています。明確な数は分かりませんが、主に本州に生息するツキノワグマの数はおそらく1.5倍には増えていると思います。
ツキノワグマの数が増えている原因は、よくいえば環境保全が進んだ結果です。人間の努力が実った成果だともいえます。環境保全がうまくいけば、当然ながら緑が増えます。緑が増えれば、小動物が増えます。そして最終的には、食物連鎖の頂点にいる動物が増えるわけで、クマの順番がやってきたということです。