パンダは生まれてからどのくらいで「白黒のパンダ」になる?
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黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(2月1日放送)にパンダライター・イラストレーターの二木繁美が出演。謎の多いパンダの生態について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。1月30日(月)~2月3日(金)のゲストはパンダライター・イラストレーターの二木繁美。3日目は、パンダの繁殖の難しさについて---
黒木)本物のジャイアントパンダをご覧になったのはいつですか?
二木)2003年か2004年に神戸の王子動物園の旦旦(タンタン)と興興(コウコウ)を見たのが最初だと記憶しています。
黒木)2021年に上野動物園で双子のパンダちゃんが生まれましたよね。
二木)シャオシャオとレイレイです。
黒木)双子は上野動物園では初めてだったということですが、パンダの場合、双子が生まれる確率は高いのですか?
二木)パンダは、野生でも飼育下でも40%くらいの確率で双子が生まれるのです。ただ、野生だと片方しか育てません。環境的に過酷なので、両方を育てられないのです。
黒木)ここにぬいぐるみがありますけれど。
二木)2日齢と10日齢の赤ちゃん時の体側結果に基づいてつくられた上野動物園のシャオシャオとレイレイのぬいぐるみですね。
黒木)このくらいの重さなのですか?
二木)ちょうどその重さだそうです。
黒木)ツルツルした感じですよね。生後1週間が大事な期間だということですが。
二木)「魔の1週間」と言われていて、命を亡くしてしまうことが多いのです。1週間を過ぎれば少しは安心できるのですが、ツルツルなので、自分で体温の保持ができず、お母さんがきっちり温めていないといけないのです。
黒木)お母さんが。
二木)なかには育児放棄をしてしまうお母さんもいるのです。人間でも初乳って大事ですよね。それが飲めないと免疫やいろいろなものがお母さんからもらえないので、最初の1週間が大切だということです。
黒木)飼育員の方にとっても魔の1週間になるのですね。
二木)泊まり込みでモニターをずっと見ているそうです。気が張って大変だと思います。
黒木)上野動物園のジャイアントパンダは、今年の2月に中国に帰る予定ですか?
二木)お姉さんのシャンシャンが2月21日に中国に旅立ちます。
黒木)シャンシャンだけですか?
二木)シャンシャンだけです。
黒木)最初からそういう取り決めなのですか?
二木)日本で生まれた子も所有は中国になっているのです。いまはお父さんお母さんも全部中国から借りている状態なのです。
黒木)日本にいるパンダは。
二木)カンカンとランランは日本に贈呈されたので、生まれた子どもも全部日本のものだったのです。リンリンやシンシンは繁殖のために中国から借りているという形なので、子どもが生まれたら中国に返さなければならないのです。
黒木)そうなのですね。パンダは最初はツルツルなのですが、いつくらいから毛が生えて白黒になるのですか?
二木)最初もうっすら毛は生えているのですが、少しずつ生えてきて、1ヵ月くらいで綺麗に白と黒になります。
黒木)パンダは雄と雌の見極めが難しいと伺っていますが。
二木)アドベンチャーワールドで生まれた楓浜も最初は雄だと発表されたのですが、実は雌だったのです。過去、上野でもトントンやリュウリュウが生まれたときも、トントンは雄だと発表されたのですが、実は雌だったことがあとからわかったのです。逆にリュウリュウは雌だと言われていたら雄だった。
黒木)それは大人になってからわかるのですか?
二木)繁殖可能な年齢になって、「もう1回調べよう」と調べたら「違った」ということです。
黒木)そのくらいわからないのですね。謎の多い、ミステリアスな動物ですね。
二木)未だに謎が多く、わかっていないこともあります。
二木繁美(にき・しげみ)/ パンダライター・イラストレーター
■愛媛県出身。日本(にほん)パンダ保護協会会員。
■グラフィックデザイナーを経て、ライター・イラストレーターとして独立。
■トラベル系の取材記事や企業オウンドメディアのコンテンツ作成、インタビューを執筆。
■国内にいるパンダの全頭を撮影してまわる、筋金入りのパンダ愛好家。
■和歌山アドベンチャーワールドのパンダ「明浜(めいひん)」と「優浜(ゆうひん)」の名付け親でもあり、パンダイラストを描き・グッズも作成。
■講談社WEBメディア「現代ビジネス」で、パンダのタンタンの日常を伝える『水曜日のお嬢様』を連載中。そのほか・パンダコラムを数々執筆。
■2022年12月には初の著書『このパンダ、だぁ~れだ?』(講談社ビーシー)を出版。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳