イスラエルとハマスの軍事衝突 ニッポンの「脱中東」再考を専門家が指摘

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政策アナリストの石川和男がパーソナリティを務めるニッポン放送Podcast番組「石川和男のエネルギーリテラシー」に、ポスト石油戦略研究所代表でエネルギーアナリストの大場紀章氏がゲスト出演。イスラエルとハマスによる軍事衝突が、日本のエネルギー事情に及ぼす影響について議論した。大場氏は「直接、原油の供給や原油価格が強制的に上がるという事態にはまったく今は至っていない」と指摘。石川は「脱中東をもう一度考えるべき」と警鐘を鳴らした。

中東の地図   PD

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10月7日、パレスチナ自治区ガザを実効支配するハマスが突如としてイスラエルに仕掛けた軍事攻撃。その後、両国は“戦争状態”に陥り、多くの死者を出すなど混乱が続いている。日本は原油の輸入の9割以上を中東地域の国々に依存しており、今後の影響が懸念されている。

この点について大場氏は、1973年10月に勃発した第4次中東戦争では、イスラエル周辺の産油国も巻き込み原油価格が約4倍に釣り上げられたことを挙げ「それと比べれば、今回のイスラエルとハマスの戦いでは、産油国は一切そういう反応をしていない」と指摘。「直接、原油の供給や原油価格が強制的に上がるという事態にはまったく今は至っていない」と述べた。

さらに「若干、(原油相場が)上がったようにも見えるが、9月の下旬から原油価格は下落基調にあって、ここ数か月の原油価格のトレンドから言えば、この上昇幅というのは小さなもの。この戦闘で、地政学リスクで原油価格が上がった!とか報道では言われるが、むしろ下落基調の中」と言及した。

ただ、事態はいつ急変するとも限らず、石川は今後の日本のエネルギー政策について「脱中東をもう一度考えるべき」と警鐘を鳴らした。

番組情報

石川和男のポリシーリテラシー

毎週土・日曜あさ8時配信(ニッポン放送 Podcast Station ほか)

番組HP

政策アナリストの石川和男が、暮らしに欠かせないエネルギー問題の様々な“見方”を提起。
日ごろ、テレビや新聞などで報じられることが少ない専門家ならではの視点やデータを駆使して、歪んだ情報を正し、あなたのリテラシー向上をお手伝いします。

※2024年4月6日(土)までは『石川和男のエネルギーリテラシー』

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