受験生を“みんな“で応援!『おうえんしナイト』
全国の受験生を応援するために、受験や教育と縁が深い、お笑い芸人・ランパンプスと一緒に様々な情報をWebコンテンツとして発信していく企画です。
受験生を応援するため全国各地を飛び回る『おうえんしナイト』。
東京都、小金井市の「東京学芸大学」にやってきました。連載開始から1年が経ち、ついに寺内さんの母校に凱旋です。思い出の学食レポートもお楽しみください!
――さて、ついに母校の東京学芸大学に取材ですね。久しぶりに戻ってきていかがですか?
寺内:いやー、懐かしいですね。駐輪所が狭かったのが変わってない(笑)。
小林:17年ぶりの母校で最初の一言それでいいの?
――(笑)。それでは早速ですが、校内に入って総務課長兼広報・基金室長の橋田惠己(はしだめぐみ)さんにお話を伺いましょう。
橋田:橋田です。本日はよろしくお願いいたします。
寺内:ランパンプスの寺内です。
小林:小林です。よろしくお願いいたします。まずは東京学芸大学の創立の歴史などをお聞かせいただけますか?
寺内:そうですね――
小林:いや、あなたじゃない!
寺内:実は、学芸大は国立大学なんです!
小林:知ってます。何年に創立したかとかを聞きたいんだよ!
寺内:じゃあ、今回は橋田さんにお願いしていいですか?
橋田:はい(笑)。すごく良い質問をいただきました。実は明治6年にできた東京の小学校の師範学校が起源になっているので、今年で創基150周年になるんです。
小林:おめでとうございます。
寺内:ありがとうございます!
小林:いちいちうるさいな!
橋田:(笑)。本学は150年間ずっと教員・教育者養成を一貫してやってきた大学です。
寺内:存じております。お世話になりました!
小林:東京学芸大学はどういうところに力を入れているでのしょうか?
橋田:今、学校現場がすごく変わってきています。タブレットなどのICTも使われるようになり、去年からは、先生が生徒に一方向に教えるだけではなく、生徒が課題を自分の中で見つけて、それを探究し、主体的に学んでいく「探究学習」も全国で始まりました。
小林:世の中も変わりますからね。
橋田:教員養成、教師を育てるカリキュラムも、時代に合わせて変わっていかないといけない中、昨年度、文科省が「教員養成フラッグシップ大学」という制度を作りまして、全国に4校あるんですが、本学は東日本の中では唯一のフラッグシップ大学として、これからの未来の教師教育を引っ張っていく存在として、指定されています。
寺内:どんなことをされるんですか?
橋田:具体的に何をやっているかと言うと、元々、教員免許のカリキュラムは制度的に「こういう授業科目を取らなきゃいけない」と決まっているんですが、フラックシップ大学になると、大学で自由に授業科目を作ることができるんです。たとえば、探究学習の授業の方法や、ほかにも、先生たちの働き方が厳しくて、精神的にも疲れてしまうこともあるので、先生のためのレジリエンスが学べる授業を作ったりと、そんな新しい授業を受けながら、教員を目指すことができる環境づくりに力を入れています。
小林:レジリエンスの授業ってどんなことを学ぶんですか?
橋田:そもそもの自己管理能力や、教員としてのストレスに対するマネジメントなどを学びます。いろいろな困難があっても、それを乗り越えて回復していく力がレジリエンスです。
寺内:そんなことまで学べるんだ!
橋田:保護者などの関係者との対応も大変な場合もあるので、スクールカウンセラーなどと協力して関係者にどう対応していくかという授業もありますよ。
寺内:僕の頃は保護者対応の授業なんてなかったです。
小林:でも、一番重要だよね。
寺内:教師ってコミュニケーションが一番大切だからね。
小林:東京学芸大学に入る受験方法はどんな方法があるんですか?
橋田:入試方法だけで6種類あります。
寺内:国際バカロレア? スーパーアスリート? 聞いたことない!
小林:本当に学芸大卒業してんの?
寺内:学校推薦と一般くらいしか知らない(笑)。国際バカロレアが一番わかんない。
橋田:国際バカロレアは、国際的な大学入学資格のことです。学芸大学では大学院に日本の教員だけでなく、国際バカロレアのカリキュラムを教えられる教員養成プログラムもあるんです。学芸大の附属学校でも、バカロレアのカリキュラムで授業をしている国際中等教育学校があります。
寺内:じゃあ、この選抜で通って、そのプログラムを受けたら、学芸大を卒業して海外に行くんですか?
橋田:そういう道もあります。
小林:寺内さんは何だったの?
寺内:僕は初等教育専攻A類の理科コースの前期試験でした。
橋田:そのコースは本学の特徴になると思うのですが、小学校の先生になれる大学って実は結構限られているんです。
寺内:少ないんですよね。
橋田:設置がそもそも制限されているんです。小学校の教員免許が取れる学部は国立大学か一部の私立大学だけで、しかも、私立大学だと文系の高校生が進学することが多いので、文系の小学校の先生になるんです。寺内さんみたいに理系でかつ小学校というと、国立が多くなるんですよ。
寺内:だから僕は学芸大にしたんです。
小林:学芸大も理科の学生が一番多いんですね。知らなかった。
橋田:貴重なんですよ。
寺内:理科教育はやっぱり学芸大が強いんですよ。
小林:じゃあ、なんで芸人やってんだよ!
寺内:学芸大A類理科出て、芸人やってるの僕とでんじろう先生ぐらいだよ。
小林:でんじろう先生は芸人じゃないから!
寺内:一芸には秀でてるでしょ(笑)。
小林:卒業生の進路や就職先についてお聞きできますか?
橋田:教育学部の中には2つ課程があって、1つは学校教育教員養成課程といって、まさに学校の先生になりたい人のための課程です。このほか、もう1つの大きな柱として、教育支援課程という、図書館の司書や、学芸員、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなど「教員ではないけど教育を支援したい人」に向けた課程があるんです。こういった職業を本学では「教育支援職」と呼んでいます。学校教育教員養成課程は7割ぐらいは教員になります。教育学部全体では、公務員も結構多いですね。
小林:一般の企業に勤める方もいらっしゃいますか?
橋田:もちろんいらっしゃいます。IT企業や、教育系の学習塾などといった民間企業にも就職されますね。
寺内:大学院に進む人もいますよね?
橋田:そうですね。特に、カウンセリングコースでは、スクールカウンセラーになるための「公認心理師」という国家資格のカリキュラムに対応しているんですけども、その資格を取るためには大学院まで出てないといけないので、大学院への進学も多いです。
小林:どういう生徒さんに来てほしいとか、こういう志持っている方に向いてるとかはありますか?
橋田:本学は「教員になりたい人の課程」と「教育支援職になりたい人の課程」と、専攻がはっきりしているので、教員になるとか、スクールカウンセラーになるとか、図書館司書になるとか、目的意識を持った方に入学していただけると、いろんな実践的な学びができて良いのではないかなと思います。
小林:そういえば、卒業生のところに吉本興業入ってます(笑)?
寺内:入ってないよ! これ前年度のデータだから(笑)。しかも、僕、吉本興業には就職してないのよ。激フリーランスだからさ。でも、どう書かれたんだろう? 2010年卒業生を見せていただいていいですか?
橋田:「その他」ですかね(笑)。
寺内:多分ここだな(笑)。「その他サービス業」の「他」だ(笑)。
小林:卒業後はコンビニの店員だったしね。
寺内:NSCに入学したからね。
橋田:じゃあ進学ですね(笑)。
小林:進んでないですよ。後退してます(笑)
寺内:学芸大初の「後学」です(笑)。
小林:すいません、脱線しました。学生たちはどんな大学生活を過ごされてるんですか?
橋田:本学の学生は「すごく人柄がいい」ってよく言われます。たとえば電車の中で困ってる高校生がいて、それを本学の学生に声をかけて助けてもらったとお礼のメールが届いた、なんてことがありました。
小林:アンパンマンじゃん(笑)。
橋田:毎年7月にオープンキャンパスをやっていて、高校生がたくさん来てくれるんですけど、高校生からも学生の対応がすごく良かったっていう声が多いですね。
小林:教育系の仕事に進みたい学生が、子供にやさしくない訳ないよね。
寺内:確かに同級生は本当に真面目で優しい人が多かった! ふざけたこと言わないけどいっつも笑顔。面白いの笑顔じゃなくて、優しい笑顔(笑)。
小林:だからお前ダメなんだろうな。
寺内:学芸大の爆笑王だったの! みんな笑ってくれるから! でも、今思えばみんな優しいだけだった(笑)。周りが優しすぎたから、こうなっちゃった(笑)。
小林:可哀そうに。学芸大が生んだ怪物だ(笑)。
寺内:で、インカレが当時は全くなかったの。他の大学との交流がほぼなくて、駅からもちょっと遠いから、わざわざ電車乗ってどっか行くこともなかったな。
小林:この辺で済ますんだ?
寺内:そうそう、飯食って駅前で飲んで帰るみたいな。もうちょい都心寄りの学校だったら新宿行ったり池袋行ったりあったと思うけど、学芸大生が新宿で飲むなんてありえない。新宿は怖い(笑)。上京したてで東京に憧れてここ来て、こんな住みやすいとこないのよ。みんなチャリ乗って、東京も住みやすいんだと思っちゃったら、もう歌舞伎町なんて行けたもんじゃないでしょ? 背伸びして立川。逆のほうに進んでるの(笑)。かっこつけて吉祥寺。下北で呼吸困難。
小林:(笑)。
寺内:懐かしい。色々、思い出してきた!
小林:最後に受験生に応援メッセージをいただけますか?
橋田:国立大学を目指すとなると、大学入学共通テストがあって、さらに個別試験があって、試験も2月3月まで続くので大変だと思います。けれど、本当に教員や教育者を目指す人にとっては、とことん学べる環境がそろっていて、全国から教育者を目指している意識の高い学生がいっぱい集まっているので、お互いに切磋琢磨しながら充実した学びができると思います。是非、目指していただけるとありがたいです。
寺内:しかも、幅広くだけじゃなくて、その専攻の深い分野を学べますよね。
橋田:おっしゃる通り。そうなんですよ!
小林:なんで知ってるんですか?
寺内:「あたしが卒業生だから!」
橋田:小学校の先生になるにしても、理科や数学、美術、音楽など、すごく専門的なところまで深く学べますよ。
寺内:理学部の人たちと対等にしゃべれるぐらいの理科を学ぶからね。
小林:それでは寺内さんからも一言もらいましょうか!
寺内:そうですね、本学は、本当に学びやすい環境と使いきれないぐらい広大な敷地があり、ただ、駐輪場がちょっと狭いんで、自転車が置きにくいってのがあるんですが、是非来てください。
小林:そんなのでは来ません。
寺内:いや、でも優しい人が多いのよ! 本日はありがとうございました。
橋田:こちらこそありがとうございました。
小林:それでは学食へ行かせていただきますね。
――さて、学食に着きました。いつものように小林さんにはカレーを食べていただきます。
小林:本日は「マジカレー監修カレー」です! ありがたい!
寺内:通常のカレーもありましたよね?
小林:こっちの方が力を入れてるわけだから通常のカレー食べちゃダメじゃん。しかも、スタッフさんに言われましたよ。「トッピングしてんじゃねえの?」って。
寺内:カレー取締委員会「カ取」が動いたね(笑)。
小林:私はちゃんと正式な手順を踏んでこのカレーを食べているってことを知らないスタッフが取締りに来た(笑)。元々「マジカレー監修カレー」にはハンバーグがついてるんですよ! それではいただきます!
小林:美味い! これは監修されてますね。
寺内:いいなー!
小林:バター系の味の強みがあって奥深い味がします。結構酸味もある。ハンバーグもいただきます。監修してくれてありがとうだね、これは!
――ちなみにマジカレーは神田カレーグランプリにて優勝に輝いたカレー屋さんになります。
小林:さすがに美味いです。全然違う。結構辛くて本格的。普通のカレーにハンバーグが付いただけじゃないね。
寺内:私は、母校ということもあって、3つトッピングさせていただきました。サラダ、豚汁、蟹クリームコロッケ!
小林:ずりーぞ!
寺内:メインは照り焼きカツ丼! いただきます! あ、 懐かしい! このタレの味知ってる!
小林:本当ですか?
寺内:今日は売り切れになってた「学芸大学丼」っていうのがあるんですけど、それは唐揚げの上に「あんかけ」がかけてあって、それとベースの味が一緒!
小林:12時前に売り切れてるの?
寺内:11時半にすでに売り切れだった。人気なのよ。学芸大学丼も食べたかった――あ! うまいーナイトニッポン!
小林:うるさいなー。
――完璧ですね!
寺内:満を持して言いました。
小林:毎回言ってるけど、ちっとも面白くないからね?
――それでは改めまして、東京学芸大学の取材を終えてみて感想をお願いします。
小林:寺内さんはどうでした?
寺内:いや、我が母校に帰ってきたと言ったら、もうそれまでです。
小林:はい、終わりました。いや、終わりました、じゃなくて(笑)。でも寺内さんがいた時と、学校のスタイルも時代の変化と共に変わってたでしょ?
寺内:綺麗になってるところもあったけど、変わらない場所もありましたね。学生が真面目なとこは変わってない。学芸大学丼が売り切れたのは悔しかった。次はオープン並びしないと。
小林:パチ屋じゃないんだから! でも、みんな学食が好きなんだなと思った。他の大学で、あんなに行列ができるの見たことないもん。そういうところも先生を目指してるから「給食好き」みたいな(笑)。全部が教育メインになっている学校って感じました。寺内さんからしたら「まさに青春」って感じ?
寺内:青春です。皆さんも、是非、学芸大に来て、あの頃の青春を感じて欲しいなと!
小林:……「お前だけだよ」でいい?
寺内:力抜くなって!
小林:「全員が青春感じれるわけじゃねえよ」でいい?
寺内:「でいい?」って言うなよ(笑)。懐かしかったですけど、改めて良い大学だなって思ったんで、教員目指す人にはぴったりだと思います。教育学部で、かつ専攻科目深く知れるっていうのは、特色だと思うんで是非、目指してほしい!
小林:卒業生の言葉だから説得力あるね。
次回の『おうえんしナイト』は東京学芸大学にて、後編としてランパンプスが在校生に受験に纏わるお話をお聞きします。学芸大の先輩後輩の座談会をご期待ください!
<国立大学法人 東京学芸大学>
住所:〒184-8501 東京都小金井市貫井北町4-1-1
HP:https://www.u-gakugei.ac.jp/
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おうえんしナイト
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