受験生を“みんな“で応援!『おうえんしナイト』
全国の受験生を応援するために、受験や教育と縁が深い、お笑い芸人・ランパンプスと一緒に様々な情報をWebコンテンツとして発信していく企画です。
受験生を応援するため全国各地を飛び回る『おうえんしナイト』!
茨城県にやってきた今回、お伺いする大学は茨城県水戸市にある「茨城大学」になります。国立大学ではどんなことを学ぶのか? 受験生が気になるあれこれをランパンプスが代表してインタビューしつくします! 学食レポートもこうご期待!!
――それでは早速ですが、校内に入って広報室の山崎一希(やまざきかずき)さんにお話しを聞きに行きましょう。
小林:本日はお忙しい中、ありがとうございます。
寺内:吉本興業所属のランパンプスです。お願いします。
山崎:山崎です。お願いいたします。
小林:実は『おうえんしナイト』で国立大学を取材させていただくのは初めてなんですよ。改めまして取材を受けていただいて本当にありがとうございます。
山崎:そうなんですか? こちらこそありがとうございます。
小林:それでは、まずは茨城大学の歴史から教えていただけますか?
山崎:戦後、1949年に全国で「国立大学」を新しく作ろうとなりました。新制国立大学という言い方をするのですが、その一つとして茨城県内でも大学を作りたいと地域の盛り上がりもありまして、茨城大学が作られました。ただ、ゼロからできたというよりは、その前身として、旧制高等学校の水戸高等学校であるとか、教育学部の元になっている師範学校などが、明治大正昭和とずっとあったので、そういった学校が統合されるような形で、新しく国立大学として茨城大学が誕生しました。今年で創立74年ですね。
寺内:74年! つまり全国の国立大学全部が創立74年ってことなんですか?
山崎:東京大学など、かつて帝国大学と言われていた大学はもっと古くからありますね。
小林:茨城大学の特色はどんなところですか?
山崎:地域の人たちにとっては茨城大学と言えば「教育学部」で「学校の先生って茨城大学の出身の方が多いよね」というイメージが強いかも知れませんが、最近「ここがすごい!」と言える特色のひとつが「気候変動」に関する研究ですね。受験生の皆さんの関心も高いと思います。世界的にまだ地球温暖化が知られていない頃からこの問題に目を付けて研究して発信してきた一人が、茨城大学の前学長の三村信男先生です。
山崎: ノーベル平和賞を受賞した国連のIPCC・気候変動に関する政府間パネルという科学者の集団があって、「こういうふうに地球の温暖化が進みつつあるよ」「こういうふうに生物と環境に影響があるよ」という報告書を書いているのですが、その執筆者たちの中で三村前学長もリーダー的な役割を担ってきました。その先生が中心になって、文系理系を超えて「気候変動の問題に対応していこう」という研究組織を作ったのが2006年です。その時から、茨城大学では「どうやったら地球、そして、私たちの社会が持続的にあり続けられるか」を考える「サステイナビリティ学」という講座を作ってきたんです。
寺内:SDGsのSですね!
山崎:おっしゃる通りです。SDGsは2015年に国連でできたものですけれども、茨城大学は「サステイナビリティ学入門」という授業を2006年には作って、始めていました。
小林:めちゃくちゃ早いですね!
山崎:かなり早い段階から「サステイナビリティ」というキーワードを掲げていましたのでSDGsの先駆けをずっとやってきた大学だと思っています。
寺内:そこを学びに来られる学生もいらっしゃるんですか?
山崎:それ専門の学部があるのではなく、いろんな学部の人たちが集まって学ぶプログラムになっています。生物の観点からやりたいという人もいれば、もっと文系的にやりたいという人もいます。例えば、温暖化が進んでいくと、海面が上昇しますよね。そうなると、どんどん浜辺が小さくなっていき、そこに住んでいる人たちはどうするの? という問題が出てきます。その際には堤防を作って強化することもあれば、高床の家を作ってそこに住み続けたり、村ごと移転・移住するなど、色々な選択肢があります。しかし、それぞれにお金も掛かるし、移住しろと言ったって「ここにいたいんだ」って人もいる。そんな中で、どうやってみんなを守っていくのかというのは、理系だけの問題ではないので、様々なアプローチが必要になります。重要なのは、いろんな人たちが集まり、分野、学部を越えて、一緒に考え、議論して、研究していくことなんです。そこを茨城大学では大事にしています。
寺内:確かにボーダーレスに学ぶ必要がありますね。
山崎:茨城大学は総合大学で、人文社会科学部、教育学部、理学部、工学部、農学部と5学部ありますので、その強みを活かして、まさにボーダーレスにやっています。
小林:卒業生の就職先はどういうところが多いんですか?
山崎:まず茨城県内からどのぐらい入学をしているかで言うと、大体45%くらいになるのですが、卒業した後に茨城県内の企業に就職したり、県内で教員や公務員になる割合は約4割と少し減ってしまいます。「茨城県内に雇用の受け皿がどれだけあるのか」ということもありますね。また、茨城大学の工学部があるのは「日立キャンパス」です。日立といえば日立製作所とともに発展してきた町ですから、日立関係の会社に入るという学生も一定数いますね。
小林:どういう学生に来ていただきたいですか?
山崎:どの学部の学生も、これを身につけてから卒業しましょうというのが5つあります。1つ目が「世界の俯瞰的理解」。世界を見渡す視点を持ちましょうということです。2つ目が「専門分野の学力」。3つ目が「課題解決能力・コミュニケーション力」。4つ目が「社会人としての姿勢」。そして、5つ目が「地域活性化志向」になります。ですから、この5つを大学生活を通じて身につけたいなと思う人たちは茨城大学で是非学んでほしいと思っています。
寺内:教育理念に合った志がある人ですね。
山崎:それから先ほども言いましたが、分野を超えてボーダレスに、まさにサステイナブルな社会・環境づくりをしていくということを大事にしているので、環境問題やSDGsに関心がある学生さんは幅広い視野で学ぶことができると思います。
小林:個人的な見解だったんですが国立大学って一個の塊みたいなイメージがあって、どこも同じような大学だと思ってたんですけど聞いてみると特色があるんですね。
山崎:もともとの国立大学の成り立ちを考えれば「どの地域においても日本社会にとって必要な人材を育てていくこと」が最初の使命だと思います。そういう意味では各大学で共通したものはあると思います。一方で、大学が私立も含めてたくさんできて、選択肢が増えた。しかし、学生は減り、大学のために税金をたくさん使うことについて、必ずしも社会のすべての人が賛成しているわけでもありません。なので、地域や時代のニーズも踏まえながら個性を出していかなきゃいけないのはありますね。
小林:なるほど。
山崎:その点で言うと来年2024年の4月に6つ目の、学部相当の組織である「地域未来共創学環(がっかん)」というものができます。新しい学部を作るのは何年も掛かってしまって、そのうちに社会のニーズが変わってしまうなんてこともあります。ですので、国としては、もっと手軽に、大学がすでに持っている研究設備や教員などの資源を使って新しい分野を融合的にうまく作ることで、もっと早く組織を立ち上げられるような仕組みを作ったんです。その仕組みを使ったのが「学部」ではなく「学環」とよく呼ばれます。「地域未来共創学環」の特徴は「コーオプ実習」というものです。三年生になると、企業や自治体にて、実際に週3回ぐらいお給料をもらって働きながら学ぶんです。それによって、地域の課題に直接触れながら、大学で学んでいるビジネスやデータサイエンスの知識やスキルを実践します。そしてこれらの体験をした学生たちが、また大学に集まって、実習報告会という形で発表や意見交換をして、地域の課題についてさらに理解を深める。そういう新しいプログラムなんです。
寺内:実際に学生が体験した課題を大学も協力して解決していくんだ! すごい!
山崎:しかも、お金が出ますから、インターンシップよりも責任感が芽生えます。
寺内:協力してくださる企業さんがいるかどうかも重要ですね。
山崎:学長を含めていろんな人たちが企業や自治体に相談、交渉に行って、結果、今のところ茨城県内の35の企業と、20の自治体が協力してくれています。とてもありがたいことですね。特に市役所などが税金で運営している組織が、大学と連携して学生にお金を払って実習を受け入れるなんてことは全国でも初めてだと思います。茨城県の人たちの本気度が伝わってきますよね。
寺内:自治体も学生に協力したいし、地域を良くしたいと思っている証拠ですね。
山崎:この取り組みを行うことによって、地域の企業や自治体の中に、それまでできていなかったような、データやデジタルを使った新しい仕事が根付いていくことは、まさに地域の未来を一緒に作っていくようなものなので「地域未来共創学環」という名前をつけています。
寺内:先方からしても新しい風になりますよね。あの……僕の一存で良いかわかんないですけど、是非そこに吉本興業も協力させてください(笑)。
山崎:担当者に言っておきます(笑)。
小林:まずは茨城大学の学園祭にランパンプスをお願いします(笑)。
山崎:(笑)。
寺内:学生さんは、この辺に住んでる方が多いんですか? さっき正門の目の前に「食事付きマンションあります」って書いてあったのを見たんですけど、そんなの初めて見ましたよ!
山崎:東京に比べると家賃が安いのもあって民間の学生寮も多いですね。最近ちょっと面白い動きだなと思って見ているのは、20~30代ぐらいの人が茨城大学の学生たちとシェアハウスで「何か新しいことをやってみたいみたい」との思いで、一緒に暮らしたり、活動していることですね。東京で何か実験するよりも、色んな事がしやすかったりするんでしょう。そこが地方の良さでもあると思います。しかも、なんだかんだいって東京までも1時間半ぐらいですから、そういう意味では過ごしやすいのかなと思います。
寺内:そういえば山崎さん日焼けしてらっしゃるんですが、ゴルフですか?
山崎:いえ、やらないですよ(笑)。先週、栃木県にある「一万人プール」に子供と行ったんですよ(笑)。
寺内:じゃあ先週の前に会ったとしたら?
山崎:もっと白かったです(笑)。
小林:なんでそんなこと聞くんだよ! すみません(笑)。最後に、今、頑張っている受験生たちに一言いただけますか?
山崎:受験勉強って1日何時間もやらなくちゃいけないですよね。しかも、入試には役に立っているかもしれないけど「これでいいんだろうか」って、モヤモヤしたりすると思うんです。それでも頑張っている人が多いと思うんですけれど、大学に入ると学びの形って明らかに変わっていくんです。「学問」というものに出会うことによって、皆さんが受験勉強でやってきたことが、社会全体、地球全体に繋がっていって「ああ、こういうことか」と気づくはずなんです。そうなってくると「学んできてよかった」そして「これからも学ぼう」って思えるはずです。そういう意味ではやってきたことに裏切られることはないと思います。そのためにも大学で色んな人たち、色んな学問に出会ってほしい。挑戦できる時間も場所もぐっと広がりますから、そこに向けて頑張って欲しいですね。
寺内:受験勉強はその後の礎になるんですね。受験生が聞いたら勇気づけられますね。僕も東京学芸大学という国立大学を出てまして、僕は教育学部の理系に行きたかったんで、地理とか政治経済とかあんまりやる気出なかったんですけど、でも、結局全部が繋がってくるっていうのはありますし、まさに山崎さんのおっしゃったことを、僕も「一言一句」、同じように思ってました(笑)。
小林:「一言一句」の意味を知らないんだね。勉強したほうがいいよ(笑)。
寺内:でも、学校で勉強したことを生かさず芸人やっちゃいました。小中高の教員免許とって教員不足と言われている中で芸人やってますからね。不義理は自覚しています(笑)。
山崎:いえいえ、それぞれのやり方で社会に貢献されてるんだと思います(笑)。
寺内:はい、貢献して行きたいと思います(笑)。本日はありがとうございました。
山崎:こちらこそありがとうございました。
――それでは学食に行きましょう。
寺内:この学食は懐かしい感じがしますね! ザ・大学生協って感じで学生時代を思い出しました。
小林:僕も前回お休みさせてもらったから、学食でカレーを食べるのが少し懐かしい(笑)。
寺内:たださ、今回は審議だね。そのカレーさ、ヒレカツとオクラをトッピングしてるよね? 小林さんは『おうえんしナイト』では素カレーしかダメじゃなかった?
小林:いや、だって今回は注文からお願いしますって言われたからさ……そりゃ魔が差すよ(笑)。
寺内:自由にさせたこっち側のせいか(笑)。
小林:例えば「椅子に座ってなさい」って言われて、ぽんって出されたら受け入れるよ?
寺内:なるほど。次回からはそうさせていただきます(笑)。
小林:でも、自分で頼んでも尚カレーにしたのは偉くない? 逃げ道はいっぱいあったんだよ?
寺内:たしかに!
小林:生姜焼き丼も唐揚げ定食もあったんだけど「ヒレ」という二文字だけで収めたんだから(笑)。
寺内:いや、ズルしてるなあ。
小林:うるさいな! もう、いただきます! あ、美味い! 濃厚で後味がしっかりしてて、深みのある味がする。でも辛さは控えめだね。辛いのが苦手だからちょうどいい!
寺内:ヒレカツ残してもいいよ?
小林:カツがサクサク! 夏最高!
寺内:それでは私は「冷やしラーメン」をいただきます。
寺内:チャーシューときゅうりとキムチが乗ってる!
寺内:食堂のお姉さんが「今日、暑かったので、めちゃくちゃ出ました」って言ってましたね。いただきます!
小林:なんで「冷やし」なのにふーふーするんだよ(笑)。
寺内:癖で(笑)。あ、これは「うまいーナイトにっぽん」!
小林:誰も笑ってないよ(笑)。
寺内:夏に冷やしラーメンはいいですね。しかも、麺がつるっつる!
小林:冷たいのいいなあ。
寺内:お出汁とキムチ合う! 完食でございます!
――さて、茨城大学の色々なことを聞けましたが、いかがでしたか?
寺内:まず、茨城大学さん、取材を受けてくれてありがとうございます。国立大学出身としてね、私が代わりにお礼を言っとかないと(笑)。
小林:あんまり関係ないと思う(笑)。
寺内:国立大学と言えばちょっとお硬いイメージだと思うんですが、日立が近いということで工学部があったり、SDGs始まる前からサステイナブルの学問があったりとか、茨城大学ならではの特色も知ることができて良かった。総合大学である強みを生かして、柔軟に、ボーダーレスに学べるし、国立大学も進化してるんだなって感動しました。
小林:確かに僕の国立大学への固まったイメージを取り払っていただきましたね。SDGsへの対応の速さとか、国立大学にもオリジナリティがあるってことを知れましたね。
寺内:それに、ちゃんと広報の職員が家族でプール行ける休暇もあったしね。
小林:そんなこと聞くんじゃないよ! どうすんだよ、人に言えないような理由の日焼けだったら(笑)。
寺内:それでも、プライベートもしっかり楽しめるっていうのはいい大学の証拠だな、って思いました。
小林:いやそれもあんまり関係ないと思う(笑)。
次回の『おうえんしナイト』は茨城大学取材・後編としてランパンプスが在校生と受験に纏わる座談会の様子をお届けします。
国立大学に通う学生のリアルな声を聞いてきましたので、お楽しみに!
<茨城大学 水戸キャンパス>
住所:〒310-8512 茨城県水戸市文京2-1-1
HP:https://www.ibaraki.ac.jp/
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